海外オヤジの読書ノート

中年おじさんによる半歩遅れた読書感想文です。今年はセカンドライフとキリスト教について考えたく!

相続テクニック+相続争い回避の策 |『損しない!まるわかり相続大全』秋山清成

今年で83となった父親。 先日床屋行くと数カ月ぶりに外出し、4時間くらい徘徊して帰宅。 また、ここ数週間は急激な食欲と甘党デビュー(これまでスイーツ嫌い)に至り、食後に果物やスイーツの置き場をうろついたり、夜中おきて冷蔵庫を漁ったり…ってこれが…

猫のトムとサレ男公務員「僕」が国を救う!? |『夜の国のクーパー』伊坂幸太郎

皆さん、こんにちは。 突然ですが、本当にタイトルのつけ方が無粋でセンスがなくって申し訳ないです。 作品は実に面白かったのですが、吹けば飛ぶようなわずかなセンスでタイトルをつけて、こうなりました。 そろそろAIを使わなきゃですかね。 ただ私、つい…

常野物語だけど、どちらかというと青春小説か

皆さん、こんにちは。 週末に同じ学年の高校の部活仲間の墓参りに行ってきました。 そいつが逝って、もう四人しか部活仲間がいないのですが、気づくと皆、なかなか色々だなあと。 亡くなった奴は子どもと嫁さんを残して自死。コロナ中ということもあったけど…

戦前戦中の朝鮮半島での一日本人のオーラル・ヒストリー |『私が朝鮮半島でしたこと 1928年-1946年』松尾茂

皆さんこんにちは。 本作は以前からwish listに入っていたものです。 Amazonで中古のものを買ったら、カバー無しの本が送られてきました。 文句を言うのも面倒で、結局そのまま読みました。内容は良かったですけどね。 右翼的発言に辟易 巷やネットで嫌韓論…

麻之助シリーズ第二弾。結婚しても相変わらずの名探偵ぶり!? |『こいしり』畠中恵

皆様、こんにちは。 最近忙しくて、アホ、クソ、死ね等、子どもに注意する義理を損なうような言葉を吐き捨てつつ仕事をしております。 リモートなので、起きたら仕事、ずーっと仕事、気づくと夜ご飯、みたいな生活。期限ものが多く朝ごはん抜き、昼ご飯抜き…

吉野氏の半生で見る戦前・戦中のアメリカ・ドイツ・日本 |『私が最も尊敬する外交官』佐藤優

佐藤氏の作品は結構好きです。 その博学に裏打ちされた諜報インテリジェンスの話、外交の話等は、私の知らない映画のような世界。知らない世界だけど、厳然として存在する、熾烈な世界。 そんな佐藤氏にあって他の著作で言及があったのがこの吉野文六氏。 吉…

ひっそりと穏やかに暮らす超能力者たちの憂鬱 |『光の帝国 常野物語』恩田陸

はじめに 幅広い作風を持つ恩田氏ですが、本作を読んである思いに至りました。 「この人は怪奇系が得意かも」 氏の作品は20作以上読んでいますが、超常系のエッセンスが入っているのは結構ツボります。そして本作もそうでありました。 つくり ザックリ言うと…

奇人編集者の定が奏でる「生」への肯定のリズム |『ふくわらい』西加奈子

ゴールデン・ウイークですね。 退院してから、私の父親が初の徘徊の旅に出たり、叔母が亡くなったりと、アラフィフとして老後の入り口を堪能しています。 子どもの学費のプレッシャー、嫁の更年期プレッシャー(機嫌悪いのと姑との折り合い悪いのと)、そし…

民の人数数え。してその意味合いは?? |『七十人訳ギリシア語聖書』民数記、訳:秦剛平

民数記とは 民数記という名であるが、確かに神が部族の数を数え上げるという点ではその名にふさわしいのかもしれません。 とは言え、その間の記述はつまらないことこの上なく、だれだれの息子のだれだれ以下男子云々名とかいうのが延々と続きます。 因みに秦…

絶品!人情系推理エンタメ |『まんまこと』畠中恵

時代小説…これまでオヤジ・中年の読み物、と思っていました(てかドンピシャの中年オヤジでありますが)。とはいえ、某ブログで畠中さんの作品が面白いという話を目にして以来、私のwish-listに入っていました。 で、この度、「♪本を売るなら、」の中古屋さ…

キリスト教宗教史をバックにスケールの大きいミステリを描く |『ダ・ヴィンチ・コード』ダン・ブラウン 訳:越前敏哉

過日、イタリアに行ってきました。イタリアにゆかりのある映画を物色していると、「インフェルノ」という作品に出合いました。そこそこ楽しみました。 でこの度日本に手術に帰ってきて、映画で見たことはあったダ・ヴィンチ・コードの本を偶然読んでみると、…

死ぬと分かるのなら、その日あなたは何をするか? |『THEY BOTH DIE AT THE END』ADAM SILVERA

皆さんこんにちは。 娘が居所にいるとき、ふと娘の洋書(YA系)を読むことが何度かありました。そうした作品につきAMAZONの評価とかも併せて読んでいるうちに、AMAZONに色々な洋書のRecommendationが出てくるようになりました。そのうちの一作が本作。表紙のデ…

シニシズム、あるいは偽善者の欺瞞を描く |『死者の奢り・飼育』大江健三郎

はじめに・思い出 大江健三郎氏の初期の作品。表題作の「飼育」にて芥川賞を受賞。 本作も再読するのはかれこれ30年ぶりくらい。大江健三郎氏といえば私が大学に入った1994年にノーベル文学賞を受賞した方。 名前は知っていたものの読んだこともなく、同賞受…

ユダヤ教ルールブック!? |『七十人訳ギリシア語聖書』レビ記、訳:秦剛平

レビ記=ルールブック!? さて、昨年から始めている聖書読んでみようキャンペーンですが、今度は旧約聖書のレビ記を読了しました。 レビ記はモーセ五書のひとつですが、ひとことで言えば、ルールブック的記述の網羅が印象的でした。 ルールの内容 今付箋の…

小川洋子氏の幻想的世界 with 動物 |『いつも彼らはどこかに』小川洋子

はじめに 小川洋子さんによる動物がテーマの短編集。2013年発行ですからちょい前のものです。 タイトルと主人公について 作りとしては短編集となっています。相変わらず不思議な物語を綴ります。 タイトルに動物が絡みますが、物語は時として重層的に進みま…

余程のマニアではない限り、かなり役に立つ |『アウトルック最速仕事術』森新

はじめに 突然ですが、私はメールというものが嫌いです。 仕事の内容では、諸々の個人的合理化を積み重ね、やり方を変え、順序を入れ替え、マクロを作り、自分の仕事量は上司には教えられない位減りました。 ただ、メールだけはそうなりづらいのです。 役員…

洒脱な半藤氏の語りが光る |『歴史と人生』半藤一利

はじめに 齢90にて2021年に逝去された半藤氏。 いつかはその著作を読んでみたいと思っていました。そしてこの度某中古本屋で裏表紙も見ず、タイトルだけで購入した次第です。ちなみに本作は著者が88歳の時に出版したものだそう。すごいですよね。 第一印象は…

「ギャング」のアクション、今度は誘拐!? |『陽気なギャングの日常と襲撃』伊坂幸太郎

皆さんこんにちは。 月曜日に手術をして頭蓋骨をこじ開けてバイパス手術をして、火曜日に覚醒しました。まだだるいのですが、ゆっくり元気になって、もう少し学費を稼ぐために頑張りたいと思います。 はじめに 伊坂氏の初期作品。「陽気なギャングが地球を回…

ちょっぴり不思議で優しい「小川洋子的世界」を |『偶然の祝福』小川洋子

はじめに 小川さんの作品に一か月ぶりにお目にかかります。 本作は2000年に発表された作品ですから、割と古い部類のものかもしれません。四半世紀か。 構成について 本作は連作というのでしょうか。同じ主人公によるシーンの違う短編で構成されている作品と…

作為的安っぽさと時代のオマージュで読者を引き込む |『さらば雑司ヶ谷』樋口毅宏

はじめに 樋口氏の作品はこれで三作品目。 これまで読んできたところですと、彼の特徴といえば、どぎつ目なエログロといったところ。 「日本のセックス」ではスワッピング狂の旦那に嫌々連れていかれるうちに欲情してくるその妻の心情を描いていました。性描…

パンチに欠ける?もとりあえず三部作終了 |『黄金のローマ 法王庁殺人事件』塩野七生

はじめに 塩野氏による歴史絵巻三部作の最終作。 緋色のヴェネツィア、銀色のフィレンツェ、に続き、黄金のローマ、であります。 もし本作を初めて手に取った場合は、悪いことは申しませんので、是非いちから(ヴェネツィア)から読むことをお勧めします。 …

痛快コンゲーム的銀行強盗 |『陽気なギャングが地球を回す』伊坂幸太郎

はじめに これまた十数年ぶりに読んだ本作。 初期伊坂作品らしい、エンタメ性・疾走感・そして洒脱なセリフとキャラ構成、と全てが光る作品でした。面白かった。 あらすじ 4人の出自や性別・年齢のばらばらな男女が銀行強盗を働くというもの。 夫々の特徴を…

強烈なシニシズムを示す作品群 |『パニック・裸の王様』開高健

はじめに 過去にも読みましたが、実に20-30年ぶりくらいの再読。 いやあ、なかなかしびれました。 本作、4編の短編から構成された作品群ですが、強烈に感じたのが、通底するシニシズムでありました。お金、権力、偽善への痛烈な批判のようなものを感じました…

労働者の苦境のなかに、ちょっぴり光る幸せをユーモラスに。 |『魔が差したパン』O・ヘンリー 訳:小川高義

O・ヘンリーは昔読んだ気がします。 近年は気にもしなかったのですが、読書系ブログ界隈(まあ私が見回るところ)ではたまに言及されていたので気になっていました。 今回手術のために日本に帰国していますが、母親の「積読」文庫にその姿を発見、読んでみた…

メディチ家内の人間ドラマを描く |『銀色のフィレンツェ』塩野七生

塩野七生氏の歴史絵巻三部作のうち、これが二作目。 こんな話 前作同様、ヴェネツィアの貴族マルコが主人公。 前作末、政治勢力図の変更もありヴェネツィアでの殺人事件のごたごたの責任を取らされ、一時的な追放を余儀なくされたマルコ。外遊ということでフ…

ふんわりやさしめ西作品 |『しずく』西加奈子

西さんのイメージ 西さんの作品は、なんというか、「癖のある」感じの印象。 いつも関西弁の女性主人公が出てきて、ちょっと繊細だったり、あるいは男勝りのユーモラスなキャラだったり。 その一方で擬態語や擬音語のチョイスが読者をはっとさせ、唸らせると…

外交に国運を賭するヴェネツィアと、翻弄される人民 |『緋色のヴェネツィア』塩野七生

皆さん、こんにちは。 私事ですが、毎年Year Resolutionを作成しています。簡単に言うとプライベートでのKPI。この中で数年前から旅行KPIというのを作っており(実際は奥様の満足度向上KPI、という名称なのですが)、なるべく家内を旅行に連れ出すという事を…

次第に全貌が明らかになるエログロ・サスペンス |『民宿雪国』樋口毅宏

皆さん、こんにちは。 上の子の高校卒業式に参加してきました。 いやあ、青春っていいですね。式が終わった後は講堂から出て、生徒一同で制服のネクタイ(通称『たくあん』:金色・黄色だから)を一斉に放り投げるというシーンも。その後は生徒同士、仲間同…

ニューヨークトリビアと凶悪犯との対決 |『ボーン・コレクター』ジェフリー・ディーヴァー、訳:池田真紀子

皆さん、こんにちは。 この前約10年ぶりにYahoo!オークションを利用し、文庫本をバルクで購入しました(塩野七生さん関連ですが)。 実は事前にメルカリも見たのですが、概観としてメルカリは高く、Yahoo!オークションは軒並み安いという結果でした。 同じ商…

2人の刑事の掛け合いから繙かれる3遺体の真実 |『パズル』恩田陸 

皆さん、こんにちは。 そろそろ異動の時期ですね。私は外国でこじんまりと自らサイロを築いてぼちぼちやっています。しかし、所謂駐在さんはそうはいきません。異動の示達があります。 私の一つ下の上司君は、次はなんとブラジルだそうです。と、遠い・・・…

海外オヤジの読書ノート - にほんブログ村
PVアクセスランキング にほんブログ村