海外オヤジの読書ノート

中年おじさんによる半歩遅れた読書感想文です。今年はセカンドライフとキリスト教について考えたく!

2020-08-01から1ヶ月間の記事一覧

極私的読書ノートを書く背景についてお話しします(長くてごめんなさい)

昨年12月から始めました本ブログですが、おかげさまで、この8月に100記事目のポストをすることができました。本ページを見てくださった皆様方には厚く御礼申し上げます。 さて、そもそもこのサイトは、おっさんの独り言のようなブログでありますが、驚くべき…

静謐な文体に心を打たれる―『ブラフマンの埋葬』著:小川洋子

筆者と作品について 各種文学賞を総ナメにしている小川洋子氏。『妊娠カレンダー』で芥川賞、『博士の愛した数式』で読売文学賞および本屋大賞を受賞、後に映画化。本作『ブラフマンの埋葬』は泉鏡花文学賞を受賞。 感想 引き込まれるように読んでしまった。…

クラシック作品をモチーフにした可愛らしい作品集―『アーモンド入りチョコレートのワルツ』著:森絵都

筆者と作品について 第20回路傍の石文学賞受賞作。直木賞作家である森絵都さんの作品は中学生を主人公にしたものが多く、ローティーンの読書の入り口には最適だと思います。私も当時小学六年であった娘のために購入しました。 lifewithbooks.hateblo.jp life…

ある意味サイコな小学生とその家族の話(英語の童話)―『GEORGE’S MARVELLOUS MEDICINE』著:ROALD DAHL

概要 映画『チャーリーとチョコレート工場』や『BFG』の原作者としても有名な20世紀のイギリスの児童文芸作家Ronald Dahlの作品。本作は小学校低学年程度向けと思われるが、単語はともあれ文法が平易であり、英語学習の入り口にも適していると思われる。 感…

雑誌連載の総まとめ!?次の飲み会でしゃべってみたいウンチク―『帳簿の世界史』著:ジェイコブ・ソール 訳:村井章子

感想 表紙の西洋画が印象的。何か面白い話でも聞けるかと期待して、ジャケ買い。 結論は、そこそこ面白かった。世界史を会計という切り口で見るものですが、個人的には中途半端という印象です(すみません)。世界史の本という言うには狭く、また会計(帳簿…

揺れる香港の昨日。本格ミステリに描かれる香港社会体制とノスタルジー―『13・67』著:陳浩基 訳:天野健太郎

島田正彦賞受賞作品『世界を売った男』を読んで、香港ミステリに非常に興味が沸いてしまい、次作である本作『13・67』を購入しました。 lifewithbooks.hateblo.jp 感想 名前が中華系の名前であり、ややとっつきにくいところを除けば、ミステリの謎解きと…

たまにはほっと息抜きしたいあなたに、自由すぎる中学生のお話を!―『宇宙のみなしご』著:森絵都

概要 直木賞作家にしてティーン小説では大家と言っても過言ではない森絵都氏の作品。本作で野間児童文芸章を受賞。今回もさっぱりとした性格の女子中学生が主人公。 感想 中学生が主人公の小説、というと意外に思い浮かばない。私が中学生の頃だと、『僕らの…

往時のスパイ活動の様子が生々しい。考えるヒントも多い―『GHQ 知られざる諜報戦 新版ウィロビー回顧録』著:C.A.ウィロビー 監修:延禎

概要 第二次世界大戦終了後、マッカーサー率いるGHQの下で、G2と呼ばれる諜報活動を担うグループを統括したウィロビー氏による回顧録。史実と異なる回想については監修者の延禎氏が丁寧にコメントを入れている。なお延禎氏は本文中にもある通りGHQの別チーム…

使えるプレゼンテク!でも初心者は伝える内容を煮詰めてから使ってね―『図解 テレビに学ぶ 中学生にもわかるように伝える技術』著:天野暢子

その分かりやす過ぎる表紙と題名から、つい書店で手に取って購入してしまいました。結論から言うと、なかなか参考になったのですが、表紙の印象に反し、プレゼン上級者向けの本であると感じました。 使える技術は確かに満載 この本では、多くの『伝わる』技…

書くことによるカタルシス、あるいは共通感覚の発露―『土佐日記(全)』著:紀貫之 編:西山秀人

感想 ―「男もすなる日記といふものを、女もしてみむとてするなり」 この、あまりに有名な一節から始まる土佐日記。多くの人が教科書や受験勉強の最中で出会ったことがあるのではないでしょうか。 本作品は平安時代の歌人紀貫之が女性のふりをして書いた日記…

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