海外オヤジの読書ノート

中年おじさんによる半歩遅れた読書感想文です。今年はセカンドライフとキリスト教について考えたく!

2021-05-01から1ヶ月間の記事一覧

よく書くことは、よく自分を見つめること―『伝わる・揺さぶる!文章を書く』著:山田ズーニー

自分の言いたいことをきちんと伝えるにはどうすればよいのか? ブログ等のSNSで物事を伝える、海外で日本語以外の言語を使う、あるいは物分かりの良くない上司や社内関係者を説得したい等々、思いを理解してもらえないフラストレーションは、日本語でも外国…

相手の為を思い、敢えて本音を言う!?なかなか厳しい判断です―『Lying』著:Sam Harris

同調圧力の強い社会、本音が言いづらい組織。 集団にいても疎外感を感じたり、本音でめいいっぱい喋れたらどんなに清々しいかと、時に良く夢想したものです。 しかし本書を読んだ後、ちょっと考えを改めました。 出来るだけ本音を喋るという倫理戦略は意外に…

昭和の逃げ切り世代に読後もやもや。展開はよい―『円満退社』著:江上剛

あらすじ 東京大学を出て一流銀行に勤めるも、出世とは無縁。うだつの上がらぬ宮仕えを34年、悪妻に虐げられた結婚生活を26年続けてきた岩沢千秋、56歳。定年退職を迎える日、彼は人生最大の賭けに打て出るが、思わぬトラブルに見舞われ、人生最悪のピンチに…

読む順番を間違えた!!―『想いの軌跡 1975-2012』著:塩野七生

塩野氏の作品と言えば、古代ローマやルネサンス期の歴史小説。 歴史好きとしてはいつか挑戦してみたい大作だとかねてより思っていました。ただそのボリュームにひよった結果、手にしたのが本作。 そして思ったことと言えば・・・。 やっぱり塩野氏とくれば歴…

芯ある経営者が良き会社をつくる―『稲森和夫の実学 経営と会計』著:稲森和夫

自分の会社がどうすればよくなるのか。 考え方が古かったり、前例主義だったり、社員の事を考えない上司が多かったり・・・。おそよ社会人として不承不承でも組織で働いている身であるならば、組織のよろしくない面を目の当たりにし、一度ならずもこうした疑…

前編も本作も、親子ともども読んでほしい!―『Auggie & me three wonder stories』著:R. J. PALACIO

先日読んだ、娘のお下がりの”Wonder”は非常に面白かった。感動しました。涙目になりました笑 lifewithbooks.hateblo.jp 本編はその続編。前作が良かったということで、娘にせがまれて購入したものです。こちらをまたぞろ娘の本棚から失敬して読んだ次第です…

文具好き必読!文房具で想いを彩る、鎌倉歳時記―『ツバキ文具店』著:小川糸

代書屋という職をご存じでしょうか。なんでも人の代わりに手紙を書くのが仕事だという。 本のカバーにあるあらすじを見ながらも、けったいな職業があったものだと斜に構えつつも手に取ったのは、七割くらいは東野圭吾の『ナミヤ雑貨店の奇蹟』と取り違えてい…

悠久の古代ギリシア神話。興味がある人にはお勧め!―『トロイア戦争全史』著:松田治

先日ギリシア神話の本を読みました。 大興奮というわけでもありませんが、相応の感心をしつつ気のないへぇーなどという相槌を一人うちつつ読了し、一夜漬けの知識をあたかも随分前から知っていたかのように家族に開陳し、まあまあ嫌な顔をされたりしました…

やや古い!?も、中盤以降グイグイ読めるクライシス・サスペンス―『天空の蜂』著:東野圭吾

(映り込み済みません。もう直す気力すら最近湧かないもので。。。) あらすじ 奪取された超大型特殊ヘリコプターには爆薬が満載されていた。無人操縦でホバリングしているのは、稼働中の原子力発電所の真上。日本国民すべてを人質にしたテロリストの脅迫に…

残酷でシニカル、でもほんのりと感じる確かな友情―『少女』著:湊かなえ

ネタ晴らしはしたくないのですが、湊氏らしからぬ終わり方でした。そういう意味では背表紙にあった「衝撃の結末」というのは誇張ではありませんでした。さすがです、湊かなえ氏! あらすじ かつての仲良しであった女子高生の由紀と敦子、今は訳あって少し距…

旅行に役立つギリシア神話。変わった切り口で神話を語る―『ギリシア神話 神々と英雄に出会う』著:西村賀子

日本人は実に外国のものをうまく取り入れる民族だと思います。 英語もフランス語もドイツ語も、すべてカタカナにして日本語に取り込むのです。ランチにヴィシソワーズを取って、デザートはバームクーヘンだった、とか。 日常会話にはこうした言葉がじつに自…

死者と再会できる場で起きる殺人事件―『ネクロポリス』著:恩田陸

死後の世界、皆さんは興味はおありでしょうか。あるいは、亡くしたけどまた遭いたい方はいらっしゃいますか。あるいは、会ったことのない祖先に有名な人がいて会ってみたいとか。 あらすじ 本作はそのような死者と会える場所「アナザー・ヒル」を舞台とした…

Dr. SeussのBooks Setを大人買い! 孫に読み聞かせをする日は来るのか!?

Dr. Seussってご存じでしょうか。米国の絵本作家だそうで、さる本でも評判を聞き、またブログで紹介されているのも耳にしていました。まあ、機会があったら読みたいなと優先順位は大分低めて構えていたのですが。 で、うちの近くに新古品を扱う書店がありま…

婚活のイタさと苦しさを描く恋愛小説?あるいは毒母親から自立する娘の話―『傲慢と善良』著:辻村深月

本嫌いの子供に読ませる本はないかとあれやこれや探しているなか、辻村氏がAmazonの”あなたにおすすめ”という所に出てきていることに気づきました。ならばと、今回初挑戦です。 他人の評価ではなく、敢えてタイトルから本作をチョイスしました。まあ8割がた…

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