海外オヤジの読書ノート

中年おじさんによる半歩遅れた読書感想文です。今年はセカンドライフとキリスト教について考えたく!

2023-04-01から1ヶ月間の記事一覧

とにかく明るいニーチェ|『ニーチェの言葉 エッセンシャル版』フリードリヒ・ニーチェ、訳:白鳥春彦

俺に哲学なんて分かるんかいな? 哲学というと実に難解なイメージがあります。 小難しい言葉遣いで滔々と私たちをまくしたて、なんなら分からないこちらが悪者であるとのたまう、そんな謎な高圧的キャラを想像してしまう程。 その晦渋さにあって、ニーチェ、…

栄利子の壊れっぷりに震える|『ナイルパーチの女子会』柚木麻子

私、聞かれれば確かに、「読書が趣味です」と答えます。ですが、この10年ほどの読書はどちらかというと現世利益的。私の人生に起こった問題や疑問を解決するべく、手助けとなってくれる本を探して読んでいる感じです。 それでも、本を読んでいて、その繋がり…

子宮頸がんワクチン騒動を俯瞰する良書 |『10万個の子宮』村中璃子

父:「高校生になったら一番したいことは?」 娘:「素敵な彼ピッピを作って高校生活をエンジョイすること!」 父:「・・・じゃあ、お前、あれだ。セーフセックスに備えて、子宮頸がんワクチンだな」 という、しょうもない会話をきっかけに、娘にはこの4月…

鼻くその話に確かにと頷きました|『すっぴんは事件か?』姫野カオルコ

この本は自分のwish listの中に入っていて、そのインパクトある表紙が記憶にあり、ブックオフで廉価で見かけたときにすかさず買ったものです。 ただ、どういうわけでwish listに入れたのか覚えていない。本作の前後にリストにあったのは椎名誠さんの『わしら…

胸に重いものが残る「底辺女性史」秀作 | 『サンダカン八番娼館』山崎朋子

3カ月にわたる一時帰国を終え、とうとう居所にもどってきました。 娘は何とか行きたい高校に進学できたものの、高3になるのに大学受験に本気が出ない息子、体の衰えも顕著で半分ボケてきた父、気になっていた確定申告を8年もそのまま放置していた母、と家庭…

その明るさがロシア文学っぽくない!?|『イワン・デニーソヴィチの一日』ソルジェニーツィン 訳:木村浩

ほんの4カ月前に購入した本ですが、どうして買ったのか忘れてしまいました。 実際は『収容所群島』が読みたかったものの、手ごろな価格のものがなかったため、本作『イワン・デニーソヴィチの一日』を購入したことは覚えているんです。でも何に触発されたの…

長崎の傑物、女商人大浦慶を骨太に描く | 『グッドバイ』朝井まかて

いつの間にか4月ですね。 一昨日、下の子の高校の入学式に参加してきました。ここから7年間の学費のピークに対し、馬車馬のごとく歯を食いしばって金を稼がねば、と決意を新たにしました。 当初子どもたちは公立高校に入ってもらう予定でしたが、両親が海外…

予防的配慮に富んだ脳梗塞本 |『読みやすい、わかりやすい 脳梗塞 35の重要ポイント』森本将史

ごめん、今回も飛ばしてください 先日もまた軽い発作?がありまして。 夕方のジョギングから帰ってきたのですが、どうも体がだるい。一旦トイレに座り込むと明らかに右手の力の入り具合がおかしい。若干酔ったときのような感覚の鈍り。ただし歩けないわけで…

幕末長崎のおんなたちの儚い一生を色鮮やかに描く人間ドラマ |『ふぉん・しいほるとの娘』吉村昭

「シーボルトの娘は日本で初めて女性で医者となった人物」 遠い過去、高校の日本史でシーボルトなる人物を習ったことは覚えています。でもそれがどういう経緯で日本に関わったのかはすっかり忘れておりました。 また、どこで読んだか忘れましたが、とある記…

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