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昔の自分を思い出す 実はこの本、2000年頃の初版も買いました。 その当時、新卒でITエンジニアになった私は、3カ月間の研修を経てシステム開発現場へ放り込まれました。IT、といっても華やかなものではなく、窓の一切ない空調の管理された部屋で、自分の年よ…
実家の本棚に眠っていた本。たぶん20年ぶりくらいに読んだものです。学生時代、哲学を勉強しており、その時に設定したテーマは「人間とは何か Was ist das Mensh.」 きっとそのテーマの一環で読んだのだと思います。 今般本作を再読し、学問への小熱い(決し…
あらすじ(文庫本裏表紙より) 羊飼いの少年サンチャゴは、アンダルシアの平原からエジプトのピラミッドに向けて旅に出た。そこに、彼を待つ宝物が隠されているという夢を信じて。長い時間を共に過ごした羊たちを売り、アフリカの砂漠を超えて少年はピラミッ…
この夏に日本に一時帰国した際、息子の本棚から回収した本です。 本嫌いの息子に多少なりとも本を読ませる習慣をつけさせてくれた(私にとって)神作家の東野圭吾氏。その時息子が読んでいるというので、どうよ、と尋ねると「いやあ、だるい」と。いつもだる…
歴史が面白い、と感じる瞬間があります。まあ簡単に言えば「風が吹けば桶屋が儲かる」的な話が聞けたときです。言い換えると、一見普通に見える事象の裏に、思いもよらない事実が隠されていた時。また、どうも腑に落ちない不可解な史実の背後に、状況証拠等…
世界史を勉強すると英国史で言及されることが多いアーサー王伝説。英国の伝説・伝承文学にして最も有名なものと言いうると思います。サクソン人(Saxon)を撃退し、英国(Briton)を平和に導くアーサー王と彼を支える円卓の騎士の物語です。 で、これが予想をは…
アホ高校生の息子のために、今年はこれまで勉強法の本を5,6冊ほど読んできました。テクニック集や体験談、人生論的なものなど、参考になるものは多かったです。 ただ、サラリーマン的な仕事術の観点でいうと、私はこの本が一番だと感じました(こどものため…
本が好きな方だと、積読が先行しているうちに同じ本を二冊買ったりとか、売った本をまた買ったりとかってありませんか? 私はたまにやらかします。 本作「DIVE!!」は上の息子が高校受験に挑んている最中に上下巻そろえて買ったものです。下の娘(現在高校受…
先月8月に2年半ぶりに実家に帰りました。実家の書籍については度々処分しているのですが、それでも残っている本が数十冊ほどあります。私の記憶ではこの十年くらいは伊坂幸太郎さんとか恩田陸さんとかを結構読んだのでそういうのが残っているのかな、と予想…
先般、一時帰国中に見舞う予定であった叔父を亡くしました。末期ガンでした。享年78歳。旅行を愛し、50代で脱サラし、居酒屋や喫茶店を経営し、やりたい放題(と私には見えましたが)しつつ、最後は奥様に介護され息を引き取られました。 彼の人生を思い返し…
忙しさにかまけて読了したままにしておくと、何を書いていたかあっという間に忘れてしまうんですよね。そういう経験は皆さんありませんか? 本ブログの当初の趣旨はそんな風のように消えてしまう私の読書活動に、アウトプットという作業を加えるためのものだ…
4、5年ぶりに本作を再読。これだけ経つと筋もあらかた忘れており、フレッシュな気分?で改めて楽しく読むことができました。 主人公に自身を重ねる? 本作の主人公である多崎つくる。他の村上作品同様、非常に自制的・自省的、言葉に敏感、そして適度な運動…
子どもたちに勉強をやらせるのもいい加減疲れたのですが、ここで放り出したら相手の思う壺!?というか喜ばれておしまいなだけだろうと考え、しつこく子供に合うようなスタイル・方法を模索しています。。。 中高生の親です。 特に上の高校2年の息子がアホ過…
会社でとっている電子版の新聞。内容は当地(東南アジア)の日系企業がらみの記事が大半。ただ、毎週月曜日に八重洲ブックセンターでの新書売り上げと文庫売り上げのベスト10が載っており、結構楽しみにしています。そのコーナーに、数年前まあーよく目にし…
愚息についての愚痴 いつの時代もそうかもしれませんが、子供は大概勉強が好きではない。勉強は将来に役立つと言われ、理屈では分かるがどうにも腹落ちしない。何しろ親の言い方が気に食わない。挙句、そんなことないのに、やれケータイ見過ぎとかいわれる…
引き続きリモートワークが続いています。先日約2か月ぶりに出社して、会社の本棚に本作が安置されているのにふと気づき手に取りました。GWを利用して読んでみたものです。 戦略という言葉が嫌いです。 これまで勤務していた会社では、どれもが現場感覚の希…
昨年2021年私が最も感動したと言っても過言ではない「PRINCIPLE」という作品で言及されており、結果私のウィッシュリストに入っていた本作。この度手に取ってみた次第です。 著者は夫婦で歴史学者・哲学者ということで、10巻にもわたる歴史書を記し、ピュリ…
上巻を読んでから少し間があきました。某ブログで「中英語で書かれた初の文学作品であり、中英語で書かれたという以外、内容には特に重要性はない」等のコメントを見たら、鵜呑みにしないまでも何となくそうなのかなー、と思ううちに次第に歩みが遅くなって…
『無事これ名馬なり』・・・日々仕事に臨むに際し、体調・コンディションには気を付けています。 30歳そこそこで立て続けに手術・入院を繰り返したこともありますが、それよりも40過ぎに出会ったメンターからの影響が大きかった。 「残業しなければ8時間程度…
年度末、年度初めはちょっと憂鬱です。自己評価・自己査定をしなければならないからです。 シンプルに言えばやったことを淡々と書くだけで難しくはない。でも、自分のやったことがいかにすごいことか、とか、とても秀でた事なのだ、とでも言わんばかりに装飾…
近所の新古品を扱う本屋で5冊セットで買ったもの(確か日本円で2,500円程度)。こちらが最後に読んだ作品となります。 これまでアガサ・クリスティの作品を4冊読んできました。”MURDER OF THE ORIENT EXPRESS”, “THE ABC MURDERS”, “MURDER OF ROGER ACKROYD…
昨年ボッカチオ『デカメロン』を読了し、中世文学に興味を持ちました。そして本『カンタベリー物語』は『デカメロン』を下地にしていると聞き、読んでみた次第です。 文庫本で3冊にわたる本作、上巻を読了した時点の感想は、本家デカメロンよりも読みやすい…
わたしは短気である。 50も見えてきて恥ずかしいがすぐにキレる。1日2,3回…は言い過ぎだが、週に1,2回は切れているのではないだろうか。 キレる原因はたいていがメールやメッセンジャーだ。とにかく部外からのクソな依頼が多いのだ。あれせい、これせい、と…
モダンホラーとの出会いは中学生か高校生の頃。 当時の私は電車通学でしたが、毎日片道約90分の行程。大抵寝落ちするのですが、落ちるまでは大体読書というのが日課でした。そしてどういう経緯か、スティーブン・キングを読んで以来モダンホラーにはまり、本…
一言で言うと 本編は英国のみならず世界の法制度に影響を与えたマグナ・カルタ成立前後の約4年ほどを描く歴史ノンフィクション作品。 同筆者の作品でその名も『Magna Carta』というものがあり、本書とは内容の多くが被っています。『Magna Carta』ではプラン…
何のかのと忙しくしているうちに、読了してから大分時間がたってしまいました。おぼろげながらの記憶を頼りに記録を残しておこうと思います。 リスク。奥深い世界です。直訳すれば危険。単なる危ないこと?そんなことはありません。 リスクがないとリターン…
こういう本を読んでいるとジジ臭い感じがしますね(ジジイに近づきつつあるので仕方がない)。30歳を過ぎて網膜剥離にかかり手術、50近くになり周囲の同年代に等しく私にも老眼が訪れつつあります。海外にいて言葉が不自由である中で病気に対応するためには…
久しぶりに図書館に出向いたところ廃棄本(言っても一応25円位で売られている)の棚に本作をみて買ってみました。いやー、これは良い買い物ができました! 『下町ロケット』『半沢直樹』などドラマは見てきたのですが、小説で池井戸氏の作品を見るのはこれが…
翻訳ものを読んでいて、原文を読んでいなくても「こなれているなあ」と思ったことはありませんか。 そういう意味で、本作は、金融英語についての「こなれた」感が強くにじみ出ている英語本だと思います。 内容は全4編で金融の内容について章だてが分かれてい…
id:AgentScullyさんのブログで、全米の『最も抗議・異議が寄せられた本ベスト10』なるものを目にして以来、これらが一体どういう本であるのか読んでみたくてウズウズしておりました。 blog.the-x-chapters.info 最初に”To Kill A Mockingbird”(邦題『アラバ…