海外オヤジの読書ノート

中年おじさんによる半歩遅れた読書感想文です。今年は会計と英語を勉強します!

文芸・エッセイ・ドキュメンタリ

旅情をくすぐる2時間ドラマ的な|『クレオパトラの夢』恩田陸

読んだ冊数を比較しても意味がない、と子供には散々言うくせに、ちょっと忙しくなって読了する冊数が少なくなると、何かこう、ちょっと数を稼ぎたくなります笑 で、気晴らしも兼ねて私の好きな恩田さんの作品をチョイスしてみました。 裏カバー あらすじ シ…

これまで読んだアガサ作品で一番面白かった! | 『FIVE LITTLE PIGS』著:AGATHA CHRISTIE

近所の新古品を扱う本屋で5冊セットで買ったもの(確か日本円で2,500円程度)。こちらが最後に読んだ作品となります。 これまでアガサ・クリスティの作品を4冊読んできました。”MURDER OF THE ORIENT EXPRESS”, “THE ABC MURDERS”, “MURDER OF ROGER ACKROYD…

遺跡を巡るミステリー。舞台で演じたら映えそう。 |『MAZE』恩田陸

遺跡。ロマンを感じます。今は廃墟となり朽ち行く壁際にそっと手を当てて、数百年前、いや数千年前にもそこに人が生を営んでいた。 …なんて考えるだけで少し興奮します。私は遺跡も古墳も行ったことははありませんが。 今回は遺跡を巡るミステリーを読んだ次…

英語マジ難しいぃ!内容はモダンホラーで傑作 | 『COLD FIRE』著:DEAN KOONTZ

モダンホラーとの出会いは中学生か高校生の頃。 当時の私は電車通学でしたが、毎日片道約90分の行程。大抵寝落ちするのですが、落ちるまでは大体読書というのが日課でした。そしてどういう経緯か、スティーブン・キングを読んで以来モダンホラーにはまり、本…

赤の他人同士が支え合う個の時代の到来 |『52ヘルツのクジラたち』町田その子

私、新刊は殆ど手に取りません。 基本お金がないので、出来れば十分に値が下がった後でブックオフで100円とか200円とかで買いたいというのが本音。安くなるまで待ち、時の洗礼を経てそれでも廃れない作品ならば読んでみよういうひねくれ者であります。 そん…

熱く素直な平太にドはまり感情移入 | 『鉄の骨』池井戸潤

久しぶりに図書館に出向いたところ廃棄本(言っても一応25円位で売られている)の棚に本作をみて買ってみました。いやー、これは良い買い物ができました! 『下町ロケット』『半沢直樹』などドラマは見てきたのですが、小説で池井戸氏の作品を見るのはこれが…

海外生活模様は楽しく読めるも、そこまで絶賛するかなあ - 『サラバ!』著:西加奈子

4か月に一度くらいのペースで日本に居る息子に古本を送ってきてもらっています。本作も海外より遠隔操作でブックオフで買っておいたもので、私のお気に入りの西加奈子氏の直木賞受賞作品。2015年の本屋大賞第2位とのことです。 で、読後の印象ですが、「そこ…

七人に七様の人生と七様の決断 - 『物語のおわり』著:湊かなえ

人によって考えや感じ方は違う。この至極当然な考えが本作のテーマだと思います。 未完の小説『空の彼方』をめぐる7人の物語。この未完の小説が北海道を旅する旅人たちの間を行き交う。そしてその終わり方をそれぞれ7人が考えるというもの。 面白いのは、や…

読んでみて!としか言えない、傑作ミステリ ― 『THE MURDER OF ROGER ACKROYD』著:AGATHA CHRISTIE

いやあ結局驚いた。ああ、そういう事か!と最後に膝を打つ。 多作のアガサ・クリスティーの作品群の中でも代表作として挙がることが多い本作。確かに面白かった。 (因みに今回もインド亜大陸版につき表紙はAmazon版と異なります) あらすじ とあるイギリス…

超常現象を小気味良く解決。ガリレオシリーズ第二弾- 『予知夢』著:東野圭吾

もうこれ虐待に近いのかもわかりませんが、中2の娘に毎月1冊本を読ませています。ページ数を日数で割って、1日どのくらいまで読めば終わるかとかカレンダーに書き込ませます(こんなんしたら面白いものもつまらなくなるかもしれませんが。。。)。まあ3か月…

不機嫌な「ちびまる子ちゃん」が毒を吐く ・・・- 『円卓』著:西加奈子

先日日本にいる息子から船便で本が届きました。ブックオフでまとめて買っておいたものを段ボールで年に数回送ってもらっています。 実は買ったのは二度目。読み始めて、あ、これ読んだことある!と気づきました。前のはすでに売ってしまい気づきませんでした…

小気味良いエンタテイメント!ガリレオシリーズ第一作 ・・・- 『探偵ガリレオ』著:東野圭吾

ワクチン接種後気分が優れず、やる気が起きない倦怠感にとらわれ、普段読んでいる本も集中して読めない日が2日程続きました。そこでもっとライトな本を読んでみようと思い立ち、もう二回は読んでいる本作を試しに読んでみる。普通に面白く読めました! 東野…

ロンドン近郊を舞台にした連続作人事件。面白い! ― 『ABC MURDERS』著:AGATHA CRISTIE

先月読んだ『MURDER ON THE ORIENT EXPRESS』が存外に面白く、かつ直近で読んでいた英語の本が非常にストレスフルであったので、気分転換にこちらの本を読んでみた次第です。 lifewithbooks.hateblo.jp (実は5冊セットのボックスを購入しました。そのうちの…

暴君をいただいた家族の哀しい結末 ・・・- 『血と骨』著:梁石日

昭和を駆け抜けた韓国人の、その暴力と性と身勝手さが突き抜けており、ドライブ感に圧倒されました。ただ、読後にはどんよりと胸の底に苦しいものが残る、イヤミス的な(ミステリではないけど)感覚を憶えました。 本作は筆者である梁石日氏が父親をモデルに…

かつての悲惨なロンドンが生々しい。ストーリーは普通か ― 『OLIVER TWIST』著:CHARLES DICKENS

以前、『大いなる遺産』を読みました。凄くではないのですが、150年以上前のものとしては読めるじゃん、意外と面白いよ、というのが感想でした。 lifewithbooks.hateblo.jp その時の「意外と面白かった」が頭に残っている時分、近くの新古品を売る書店でこち…

深すぎる愛の果てにたどり着くところとは? - 『容疑者xの献身』著:東野圭吾

本嫌いの長男が中二くらいのときに、初めて「この本、読んでみたい」と言ってくれた我が家にとっては記念すべき一冊。その後高校に進学して本には見向きもしていないようですが(本人曰く、忙しい)、夏休みには東野作品をブックオフで調達し、読んでみてい…

ちょいめんどくさい自意識過剰女性、自己回復の話。分からんでもないけど・・・- 『うつくしい人』著:西加奈子

この本、読中めちゃくちゃ疲れます。なんというか、そう、メンドクサイ! あらすじ 小金持ちの家の娘、百合の話。けっこう自意識過剰。姉は天真爛漫で美しく、でも引きこもりとなった。対して百合は世間の空気を読みつつ学生時代も社会人時代もサバイブして…

ユニークなキャラたちが雪山でひと騒動(サスペンス系)- 『疾風ロンド』著:東野圭吾

妙に寝つきが悪い晩、読みかけの本を一冊読み切り、それでも眠れず読み始めたのがこちら。ふて寝ならぬ、ふて夜更かしを決め込み、あっという間に読了。 雪山を舞台にしたスリラーであるこの作品、東野作品としては安定した楽しさを味わえる一方、既視感にも…

ミステリの名作。作品が面白く英語でもどんどん読める。―『MURDER ON THE ORIENT EXPRESS』著:AGATHA CHRISTIE

娘が学校の友人から借りてきて激賞していたので、そうなんだぁー、へー、と言いつつ自分も読んでみたくなり、早速試してみた次第です。 因みにこちらのジャケはインド亜大陸特別版とのことです。買ったのは東南アジアですが。 名前はよく聞いていましたし、…

旅行に行けない泣 ならば旅エッセイで我慢しよう! 『いつも旅のなか』著:角田光代

コロナ禍のなか、私が住む地域ではロックダウンが続いており、息苦しい日々から抜け出せずにいます。どうにも旅行に行きたい!とばかりに再読しました。 角田氏、小説は読んだことないけど、旅エッセイは面白かったです。 普通の人は選ばないような場所(ネ…

万華鏡、あるいは3ウエイバッグ? 要は色んな切り口のある本 『もの食う人びと』著:辺見庸

面白かった。 この作品を良さを言い表すのにふさわしい言葉が見当たらず、3ウエイバックなどという仕様もない書き方をして申し訳ない。要は、切り口によって意味合いが異なる、多元的な読み方ができる本と言いたかったものです。 そもそもは息子の高校受験…

自分に真剣な選択へは素直にリスペクト!ユーモア漂う海外生活ストーリー―『パリで飯を食う。』著:川内有緒

パリで、自分らしい生き方をする。素敵です。 アジアの辺境で細々と暮らしている私ですが、アラフィフになってもまだヨーロッパ暮らしの夢を捨てきれずに、たまにLinked-inで仕事を探したりしてしまいます笑(完全時間の無駄)。 本作は花の都パリを舞台にし…

男性目線の青春小説!?―『霞町物語』著:浅田次郎

かつて子供の高校受験用の国語の問題文で一部が掲載されており、それをきっかけに購入したものです。 端的な読後の感想は、男性目線の青春小説だなーということ。 舞台は東京の中心街、青山・麻布・六本木の才知に囲まれた谷間の霞町。そこは昔からの旧家や…

純文学?ディストピア?スリラー?イヤミス?いや、驚いた。これは凄い。―『わたしを離さないで』著:カズオ・イシグロ 訳:土屋政雄

この読後の気持ち良くない感触をどう形容すればいいのかはよくわからない。 でもこれは凄い作品だと思った。いわゆるエンタメが好きな方には淡々としたストーリーの展開が詰まらなく感じるかもしれない。しかし、その底に横たわる不気味さや奇怪さは私のよう…

旅に出たくなる本!―『深夜特急2』著:沢木耕太郎

コロナ禍の中、海外旅行はもとより、国内旅行でさえおぼつかない昨今、本書を読んで勝手に脳内旅行をしていました。ああ、旅行っていいですねえ笑 実は私は氏の作品は初めてですが、ノンフィクション作家として有名で、また深夜特急という旅行ルポは良く耳に…

昭和の逃げ切り世代に読後もやもや。展開はよい―『円満退社』著:江上剛

あらすじ 東京大学を出て一流銀行に勤めるも、出世とは無縁。うだつの上がらぬ宮仕えを34年、悪妻に虐げられた結婚生活を26年続けてきた岩沢千秋、56歳。定年退職を迎える日、彼は人生最大の賭けに打て出るが、思わぬトラブルに見舞われ、人生最悪のピンチに…

読む順番を間違えた!!―『想いの軌跡 1975-2012』著:塩野七生

塩野氏の作品と言えば、古代ローマやルネサンス期の歴史小説。 歴史好きとしてはいつか挑戦してみたい大作だとかねてより思っていました。ただそのボリュームにひよった結果、手にしたのが本作。 そして思ったことと言えば・・・。 やっぱり塩野氏とくれば歴…

文具好き必読!文房具で想いを彩る、鎌倉歳時記―『ツバキ文具店』著:小川糸

代書屋という職をご存じでしょうか。なんでも人の代わりに手紙を書くのが仕事だという。 本のカバーにあるあらすじを見ながらも、けったいな職業があったものだと斜に構えつつも手に取ったのは、七割くらいは東野圭吾の『ナミヤ雑貨店の奇蹟』と取り違えてい…

やや古い!?も、中盤以降グイグイ読めるクライシス・サスペンス―『天空の蜂』著:東野圭吾

(映り込み済みません。もう直す気力すら最近湧かないもので。。。) あらすじ 奪取された超大型特殊ヘリコプターには爆薬が満載されていた。無人操縦でホバリングしているのは、稼働中の原子力発電所の真上。日本国民すべてを人質にしたテロリストの脅迫に…

残酷でシニカル、でもほんのりと感じる確かな友情―『少女』著:湊かなえ

ネタ晴らしはしたくないのですが、湊氏らしからぬ終わり方でした。そういう意味では背表紙にあった「衝撃の結末」というのは誇張ではありませんでした。さすがです、湊かなえ氏! あらすじ かつての仲良しであった女子高生の由紀と敦子、今は訳あって少し距…

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