段取りが悪くて上司から叱られるという事は、会社勤めの方なら一度は経験したことと思います。私は今でも、段取り悪かったわって反省することがたまにあります。
この本は十年以上前に出たちょっと古い本です。携帯の話がやや時代を感じさせるものがあるかもしれませんが、段取りとリスク回避という仕事の切り口においては、内容は色褪せません。
筆者はもともとシステム畑の方らしく、システム関連の考え方をそれ以外の業務にも適用して段取り力を高めようという魂胆です。
率直に言うと、書いている内容は極当然のことではあります。ゴールから逆算するスケジューリング、時間のバッファを確保する、フェイルセーフやクリティカルパスの考え方などです。
人はややもすると、ふわっと仕事にとりかかってしまい、途中でミスや取りこぼしに気づき後戻りをして、結局時間が足りないという事になることがしばしばあります。こういう経験がまだ無くならないという方は読んだら参考になると思います。
一つのタスクについてブレストをしてTodoを洗い出し、似ているものを纏めたりしたりして、、、というのは私も行っています。途中でタスクの忘れ物を思い出すこともありますが、それでも仕事のとっかかりでタスクを洗い出して手順を考えておくというのは、一見手間に見えますが効果は高いです。
まあ筆者のやり方は、ややもするとフェイルセーフに対するアクションが過剰で、ひょっとした時間やコストを大分食っているのではとも思います。バックアップ15世代を自ら行うというのは用心しすぎではないでしょうか笑。ただ、失敗できない、取り返しがつかない時のこの態度は学ぶところがあります。また、確認とコニュニケーションの大事さも語られており、こうした点はロジに従事する方などは同感されると思います。特に海外などでは一言の確認で仕事の完成度は相当高まることが多々あります。
そんなわけで中堅どころの方には既知の内容が多いと思いますが、30代前後までのジュニアな方で仕事の進め方に悩んでいるかたは読んで損はないと思います。ただ、個人的にはここまで過剰に段取ることもないと思います笑。仕事の完成度で言えば80%でなくても65点でも70点でも、最悪合格点であればよいわけです。その合格点の見極めはなかなか簡単ではありませんが、それはまず段取りが上手に組めるようになってからのお話しかもしれません。
評価 ☆☆☆
2019/12/17
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