世に自己啓発とか段取りとか効率化の本はたくさんありますが、この本はどちらかというと超超初心者向けの本なのかもしれません。
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数年前、とにかく残業を減らしたくて、この種の書籍に救いを求めて、いろんな種類のものを大量に読みました。今改めてこれらを読み返し吟味していますが、この本を今買うか問われれば恐らく買わないと思います。今の評価はちょっと低めです(後述します)。
もちろんこの本のいいところはあります。
まず、内容が網羅的なこと。予定を立てる、タスクを細かく微分するみたいなところから、美術館に行って右脳を鍛えろ等など直接的に段取りと関わらないところまで広く紹介しており、若い子からしたらどれか一つでも取り組んで改善に役立てられそうです。
次にデザインがかわいくてとっつきやすい。挿絵をカワチ・レンさんという方が書いていらっしゃいますが、この方の絵はとても個性的で、一見簡単に描けそうな・でもシンプルでかわいい子供の絵に特徴があります。この挿絵が本の内容をサポートしてくれます。
ではいまいちな点は何かというと、(いい点の裏返しですが)網羅的過ぎて一つ一つのトピックの内容が薄いのが気になります。言っていることはいちいち正しいのですが、そのテクニックの説明だけでなのです。ご自身の体験であったり周囲の方の体験談があるとより説得力があったかなあと。同じテクニックを述べるのでも個人的な体験があればそのオリジナリティは類書に埋もれないと思うのです。逆に、テクニックの寄せ集めのような内容だと、ほかにもっとまとまったものがある、となりかねません(残念ながらこの理由で私なら他の本をおすすめします)。
ただ、Amazonの書評欄をみて少し考えを改めました。欝々と悩んで動けないひと、すでにあきらめてしまっている人は、私が好んで読むような小難しいかったり小熱苦しい本は向かないのかもしれません。まさにとっつきやすさ・広く浅くが高く評価されていました。
それに倣うのならば、当書はごくごく若い段取り初心者、ないしはメンター・チューター一年生のネタ本としてはよいかと思います。今行き詰まっていて、今すぐ何とかしたいという切迫した方はよりポイントを絞った戦略的な本のほうが良いかもしれません。
評価 ☆☆
2019/1/15
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