健康系の本を読むと、大概、食事・運動・睡眠が重要だ、と書いてあるのをよく見ます。でも睡眠に関する本は意外と少なく、私もこれまで読んだことがありませんでした。そして、この本、睡眠についてのどストライクな内容で、非常に役に立ちました。私のようなコンディショニングに関心のある方には是非読んでほしいです!!
睡眠不足の危険性
まず、第一章で触れている睡眠不足の危険性についての科学的な記述に感銘を受けました。17時間の連続起床時の注意力は、オーストラリアの飲酒運転の基準である血中アルコール濃度0.05%かそれ以上の酩酊状態と同様の状態だと言います。朝7時に起きて会社のオフィスを0時に出るとオーストラリアの酔っ払いと同等レベルなのです。17時間連続起床など20代30代では当たり前でしたので、自分がこんなにも注意散漫な状態を野放図にしていたことに愕然としました。
睡眠負債の概念
次に、睡眠負債の話。睡眠が大事だとは言いますが、どの程度睡眠が必要で、いまどれくらい寝ればいいのかは正直よくわかりませんでした。筆者によると人それぞれらしいのですが、自分に適切な睡眠時間を計測する一つの目安が睡眠負債という考えです。休みの日に眠れるだけ眠り起きた時間を計測し、毎日起きる時間とを比べて差し引けば出るということです。週6勤務の方が毎夜0時に寝て毎朝7時に起きる生活を送り、前日通常通り就寝し休日朝9時に起きたとすると2時間の睡眠負債、そして2時間(120分)÷6日=20分を毎日の睡眠に足して7時間20分が適正な睡眠時間、ということになります。明快ですよね。
睡眠の効果
最後に、睡眠の効果についても簡潔かつ明快に説明してくれています。体のだるさや疲れをとる、あるいは仕事中眠たくならないでフル回転するためにも睡眠は大事ですが、それだけではありません。3章にある通り、脳の休息を行い記憶を定着させたり、免疫力を高めたり、日中ダメージを受けた細胞や臓器の修復も睡眠中に回復するそうです。
最後に
纏めますと、この本は相当おすすめしたいです。
これまでの生活では、夜更かししてネットサーフィンしてしまったり、飲み会で深酒し二日酔いで出社する、あるいはここまでいかずとも、残業続きで睡眠が足りず昼食を食べると眠たくなるということが本当によくありました。睡眠が大事とはよく聞くものの、気づかないふりをして、明らかに食事・運動よりも劣後して扱ってきました。ゆえに慢性的に疲れが取れませんでした。
この本のおかげで、こうしたイマイチな自己の生活習慣を改めることができました。また、仕事が多少はかどっていなくともまずは体を休ませるという考えの転換を図ることができました。
もちろん日々の生活に制約はつきもので仕事も迫ってくるものですし、本書の通り100%充分な睡眠がとれないこともままあります。しかしこの本を指針として睡眠時間を増やし、私は明らかにコンディションが良くなりました(仕事中に眠たくならない)。非常に示唆に富む本です。
評価 ☆☆☆☆
2020/03/04
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