今から10年ちょっと前、猛烈に流行った本。
今読み返してみても実際に面白い。
ご存じの通りあらすじは、ヒンドゥー教の神ガネーシャがある日突然、イケてない「僕」の前に現れ、成功するための手ほどきを教えてくれるというもの。
インドの神様であるのに何故か関西弁をしゃべるところ、そしてまた神様とは言い難ほどの俗っぽさ(半人であるから人間っぽくてもおかしくないか)が無理難題を吹っかけつつ、自分が育てた(と称する)過去の偉人達のエピソードを開陳しつつ、「僕」を変えていく。
中学生でも読める!テンポ良い語り口!
本書の良いところは何といってもその平易な語り口。テンポよいストーリー展開の中で日本人の道徳観になじむ成功律が語られていく。
また、この成功の要素が1セクションに1つずつ提示され、読者も同じ道をたどることができる。
因みに以下に挙げると;靴をみがく、コンビニでおつりを募金する、食事を腹八分におさえる、人の欲しがっているものを先取りする、会った人を笑わせる、トイレ掃除をする、まっすぐ帰宅する、その日頑張れた自分をホメる、一日何かをやめてみる、決めたことを続けるための環境を作る、毎朝前進鏡を見て身なりを整える、自分が一番得なことを人に聞く、自分の苦手なことを人に聞く、夢を楽しく想像する、運が良いと口に出して言う、ただでもらう、明日の準備をする、身近にいる大事な人を喜ばせる、だれか一人のいいところを見つけてホメる、人の長所を盗む、求人情報誌を見る、お参りに行く、人気店に入り人気の理由を観察する、プレゼントして驚かせる、やらずに後悔していることを今日から始める、サービスとして夢を語る、人の成功をサポートする、応募する、毎日感謝する。多いな。
体系だってなくてOK!だって小説だもん
読者の中には、内容がちゃちいとか、自己啓発本としては体系だっていないと批判する人がいるかもしれない。しかし本作は、寧ろ自己啓発系エンターテイメント小説として読むべきであり、読者めいめいが必要なところから必要な要素を感じ取ればよいのだと思う。
勿論、本書で語られるファクターは成功に必要なものも多かろう。ただし人生の妙は、筆者があげたファクターをすべてこなしたとしても決して成功できるわけでもなく、ファクターのバランスも作用するし、時の運もある。つまり絶対はない。
その為か、本書でも終盤にかけては成功する要素というより、納得が得られる人生の送り方へフォーカスが移ってきているように感じた。
まとめ
纏めますと、日々の生活に欝々としているかた、こんなはずじゃなかったと思いつつ生きている方、最近いいことがないなあとぼんやりしてしまう方は読んで読みてもいいと思います。少しすっきりするんじゃないでしょうか。
評価 ☆☆☆
2020/04/21
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