本の概要
理化学研究所所属の辨野氏による便と大腸についての入門書。便に関する知識、自らのうんこ相手の研究談、そしてオヤジギャグを取り混ぜ、腸の仕組み・腸にまつわる病気の原因と対策・腸内細菌研究とテイラーメイド医療への可能性等について幅広く論じている。その他、腸にまつわる雑学的ネタも多い。良書。
感想
この本を読んでから、私はコンディショニングや食べ物についてかなり気を付けるようになりました。購入以来5回は読んだでしょうか。友人・知人、趣向の似ている方にも貸して読ませてきました。
この男らしい?本のタイトルとコンパクトな新書の中に、腸と食事と健康についてのヒントが沢山詰まっています。
純粋に腸について知らなかった!
何について書かれているかって、それはもろ腸の仕組み。私は、そもそも腸について知っているようで何も知りませんでした。うんこが作られることとか栄養素が吸収されるとかその程度。実際には1000種類以上の大腸菌が生息し、善玉菌・悪玉菌・日和見菌に分類されます。この菌種の勢力状況によって便が発酵ないし腐敗して体外に排出されます。なるほど。これがお話の前提となります。
腸内環境はコントロールできる!コンディショニングへの応用も
この腸内環境を善玉菌優勢に導き“発酵”した便を排出するには当然ながら食事が重要です。筆者に言わせると、食物繊維とヨーグルトがおすすめとのこと。ヨーグルトの善玉菌で腸内を善玉菌優勢にし、食物繊維を餌にして腸内で善玉菌を繁殖させ、これで便をすっきり排出すると。誤解を恐れずに言えば便とは毒の排出でもあるので、定期的に排出できるような便を生み出すのが理想です笑
思うに、ダイエットやコンディショニングを考えると、伝統的な和食が最適なのだろうなと感じました。逆に、糖質制限ダイエットで肉食オンリーみたいな人は腸での腐敗がおきそうです。お米はお米で食物繊維もありますし。まあ結局、動物性たんぱく質の重要性や糖質過多が起こす体調不良のことも諸々考えると、最後はやはり食事はバランス、ということなのでしょうね。面白みのない結論ですが笑。
ここはどうなの?
ひとつだけ疑問であったのは牛乳否定論者に対して激しく反論している箇所です(P.168)。私もそうした本を以前読みましたが、日本人の8割程度がそうだという乳糖不耐性は、腸内環境を整えていればきちんと分解できるのでしょうか。謎は深まります。。。
まとめ
まとめますと、この本は食事や健康に興味がある方には絶対におすすめです。腸と食事の関係、そして健康への影響がよく理解できます。よく言われますが、人は食べたものでできています。暴飲暴食やスナック菓子の摂取など、頭でわかっていてもやめられない場合も、この本を読むと大分食べる気がなくなります笑。腸にまつわる小ネタも多く楽しく読める一冊です。
評価 ☆☆☆☆☆
2020/04/30