海外オヤジの読書ノート

中年おじさんによる半歩遅れた読書感想文です。今年は会計と英語を勉強します!

心を鍛えながら判断方法を学ぶ―『自分への答えのつくり方』著:渡辺健介


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本の概要

米イェール大、ハーバード大卒業の渡辺氏による、価値判断・ロジカルシンキング法の解説書。子どもが読むことを前提に物語形式で語られれており、主人公は赤魚のピンキー。単なるMBA的知識にとどまらない、”つっこみ”や”仕掛け”の技術、そして”共感”や”感謝”をロジカルシンキングに導入。より効果的で蓋然性の高いディシジョンメークの方法を述べている。

 

感想

かつて、筆者の前作『世界一やさしい問題解決の授業』を読み、もやもやした自分の中の問題(仕事ができるようになりたい・残業なく仕事ができるようになりたい等々)が大分整理された経験があります。

 

lifewithbooks.hateblo.jp

 そして今回は、よりパワーアップして、より体系的に判断や評価の仕方について解説されています。文意は平易ですが、身に着けるのはなかなか簡単ではないと思います。

 

Decision Making+「仕掛け」

今回は、マトリクスを使った価値判断法が優しく解説されています。

筆者の優れているのは、「つっこみ」というファクターの導入です。Decision Makingの方法論は極普通。いくらでも他所で見つけられます。ただ、評価軸のポイントにつっこみを入れるという視点はなかなか得られない視点だと思いました。作中では、主人公の赤魚ピンキーが留学場所選びで費用が安いことを評価ポイントに加え、困ってしまいます。そこで、費用は掛かるが他の評価ポイントが高いアマゾン中学に「もっと安くならないか」とつっこみを入れているのです。つまり、マトリクスにまとめる手を止めず、仕上がった評価に突っ込みを入れることで、当初の留学地の候補の評価は大きく変わっていきます。作中では、結果的に寮でのバイトで費用が大幅に安くなり、二番手のアマゾン中学は一番の留学候補に変わりました。この働きかけを筆者は「仕掛ける」と読んでいます。マトリクスの表を作る+「仕掛け」で判断の精度・確度は格段に上がります

 

ロジカル思考+つっこみ

これ以外にも論理思考を鍛える「ピラミッド型」が紹介されています。こちらは英語の文章では馴染みの構造です。結論が先頭にきて、その後理由をBulletで述べていく形。これを図式化すると、ピラミッドの頂点に問い(或いは結論・主張)が来て、その下に理由が来る構成です。作中では親睦会の会場選びが本当に正しいかを確認するために、このピラミッド型が使われています。ピラミッド型は頭の整理にもいいのですが、ここでもやはり会場チョイスの理由に「つっこみ」を入れる部分が特徴です。このつっこみのひと手間こそが仕事や判断の完成度を挙げるキーとなるのは容易に想像がつきます。そして形にとらわれていると、この突っ込みが得てして見えなくなるものです。

 

こころも(が?)大事

加えて素晴らしいのは、作中で頻繁に心の成長も促している部分。メンターへの感謝、ライバルへの思いやり、他人への共感など、「別の立場ならどう感じるか」などです。私もこれは非常に大切だと思います。命令や指示を聞いて反発を感じるときは、大抵は”自分のことを考えてもらっていない”と感じる時ではないでしょうか。また、ロジカルな政策(思いやりなし)とロジカルな政策(思いやり含む)なら断然後者の方が成功の蓋然性が高まるはずなのです。少なくとも聞く側の納得感が高ければ組織としての団結は高まるのではと考えます。従い、功利的に考えても思いやりに一定の価値を見出せます。

 

まとめ

まとめますと、この本は多くの方におすすめしたいと思います。ロジカルシンキングの初級本と言えますが、学生・若手社会人・チームリーダー・主婦など多くの方に関連する本だと思います。好きな事をどう適えるか、自分の主張をどう通すか、これは殆どの人に関連する悩みだと思います。そして、自分の判断の精度のみならず、常に周囲との関連についても射程に入れている点で、この本は非常に含蓄の深いビジネス本になっていると思います。是非多くのかたにより良い選択ができるようになってほしいです。

 

評価 ☆☆☆☆☆

2020/05/01

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