本の概要と筆者について
高校を独学で修め、大検を経て慶応の通信制を独学で(しかもシンガポールで!)修めた著者による独学のススメ。いわゆる効率的に資格試験や受験を切り抜けるものではなく、ライフワーク的な勉強のススメを説くもの。なお著者の柳川氏は東大経済学部の教授。
感想
子どもを塾にやる余裕がなく、独学で高校に受からせるにはどうすればよいかと思い買ってみましたが、どうやら大分方向が違っていました。親向けの本ではなく、学んでいく人に向けた本でした(子供にはちょっと難しい)。ただ、結果的には考えさせる面白い内容でした笑。
答えのない問いに自分なりの答えを見つける勉強
本書でいう勉強法は、いわゆる受験や資格試験の勉強法でも、教養や語学など趣味を学ぶ勉強法でもなく、答えの設定されていない問いへどう道をつければよいのか、そういう勉強法を指南しています。
答えのない問い。ちょっと難しいですが、私が思うに、生きる意味は何か(ちょっと青いか)とか、会社(自分の仕事)を良くするにはどうすればいいかとか、どうすれば女性にもてるかとか(下品ですみません)、そういうものかと。正解が一つではないような問いに対してどのようにアプローチすればよいかを説くのが趣旨であると解しました。
なかなか参考になる”勉強法”
そんな勉強法ですが、なるほどなあと思う内容が多かったです。中でも以下のような話は参考になりました;
入門書でも3冊くらい読んでみて自分の理解に合う本を選ぶ、仮目標(目途)を立てておく、試行錯誤をいとわない・自分を許してあげる、困ったら自分より詳しい人に聞く、何ならSNSにでも聞いてみる(大学の授業にもモグってみる)等々。
ベストセラーや定本と呼ばれるものがイマイチ面白くなかったり良くわからないなんてありますが、それはただその人に合わないだけだとバッサリ言ってもらえるとちょっと勇気づけられます笑
おわりに
改めて想定読者を考えますが、中学生や高校生には早いかなあ。大学生でもちょっとは早いかもしれない。やはり、この本は大人の方にはおすすめしたい本です。是非多くの社会人に読んでもらいたいと思います。自ら考えることの大切さや関心の育て方について考えさせる良作であると感じました。
勿論、自分なりのテーマとか、すんなり見つかるものでもないのですが、そういうものをもって掘り下げている人はやはり深みのある味わい深い会話をすると感じます。でもこれ、他人から評価の高い人間になろうと言うわけではありません。自分の目標やライフワークなどを持てたらやっぱり充実するじゃないですか。そういう大人が増えてほしいなあと単純に思わせる良作でした。
評価 ☆☆☆☆
2020/06/22