おかげ様で、当方のブログが2019年12月から始めまして一年が経過しました。名も知らぬ皆さまに見てもらえて、有難い限りです。ここに御礼申し上げます。
本以外に少し2020年を振り返り
さてコロナ一色であった2020年ももう終わりですね。
私にとってはコロナによって在宅勤務?ステイケイション?よくわからない中途半端な生活が(今も)続き、自らのアジャストについて試行錯誤をする一年でした。
2020年の読書は大体120冊
さて、読書です2020年の読書は約140冊という事になります。
実際には2019年12月からの13か月なので、年間ベースで多分120冊強です。しかも、かなりの本は再読ですので沢山読めたわけです。実際に読書が早いわけではありません。
この数年、私にとっての読書とは、仕事や健康で行き詰まってしまった自分の「再建」のためでした。しかし今年は文芸関連をはじめ、歴史や思想など自分の娯楽のための読書がかなり多かったと思います。文芸は中学生の子供たちに読ませるべき本の確認という面もありましたが、今年は仕事も健康も落ち着いてきたということであります。
そんな私の読書ですが、印象に残った作品を10ほど列挙したいと思います。
1. 「脳を鍛えるには運動しかない」ジョン・レイティ
本年は当方の仕事は比較的落ち着いておりました。しかしコロナ禍で仕事もプライベートも欝々として手につかない時、バイブルである「脳を鍛えるには運動しかない」にある教え、すなわち「運動する」という教えに立ち返り、リズムを作りました。更年期や閉経後のホルモンバランスにも効果があるらしいので、今後は妻も運動教に巻き込もうと思います笑
2. 「世界一やさしい問題解決の授業」渡辺健介
3. 「究極の鍛錬」ジョフ・コルヴァン
中三の息子がこの12月に単身日本での受験の為帰国しました。夫婦そろって息子ロス状態に陥っていますが、同時に老後に向けた準備を意識し始めました。何をするか、どうやってするかとか、つかみどころのない問いに答えをつけるのは「世界一やさしい問題解決の授業」のやり方が参考になります。
また老後とは言え、単なる手慰み以上のそこそこイケてるレベルになることも夢想しています(何をやるかはわかりませんが)。そんな夢の実現ためには「究極の鍛錬」の「天才は作れる」というメッセージを改めてかみしめたいと思います。どの道でも、達人とは、真剣な鍛錬の累計時間でつくられる、とするものです。出世は諦めている私ですが、実力はまだ伸ばせると希望を失っていない根拠となる考えです。
4.「失敗の本質」戸部良一・寺本義也・鎌田伸一・杉之尾孝雄・野中郁次郎
日本に往々に見られる無責任な組織の典型といえば、旧日本帝国軍ではないでしょうか。空気を読みまくって、忖度しまくって、必要なことを必要なタイミングでしゃべらない。データを正視せず、ご都合主義で、実力より縁故。とんでもない組織の話です。
時代が違うとはいえ、自分の中のメンタリティーにも上記のようなファクターは散見されます。反面教師として自戒の意味も込めて来年以降再読したい。
5.「伊勢物語」
「むかし男ありけり」で始まる、かの有名な「伊勢物語」。古典がからっきしな息子に音読させました。内容がアダルト!?なものも多いのですが、この本は解説が読みやすいし、模試や過去問にもたびたび引用されていたので、ほら出てんじゃんと度々指摘しました。在原業平のストライクゾーンの広さに脱帽です。
6.「幸福な食卓」瀬尾まい子
7.「弱いつながり」東浩紀
「幸福な食卓」「弱いつながり」はどちらも息子がやった高校の過去問に出ていました。前者はユーモラスな作風に通底している一抹の寂しさが秀逸でした。後者は哲学者の東浩紀氏の小品。インターネットという道具は世界はどんどん狭く均質的にしてゆきます。ある意味でコントロールされた、予期された世界へと人を追い込んでいっているのではないでしょうか。筆者の言う「ノイズ」や「旅」によって未知なる何かと出会い、私も子供たちも新たな地平と出会いたいと思います。「旅」がキーワードなので、旅好き(いまなかなか難しいけど)にもお勧め。
8.「オリバー・ストーンの「アメリカ史」講義」オリバー・ストーン
9.「砂糖の世界史」川北稔
海外在住の私ですが、日本人ですのでやっぱり日本の将来が心配です。年金とか医療制度とか。日中関係も日米関係も心配です。で、そもそも現代日本(あるいは現在の世界)がなぜ今のようなのかと言えば、覇権をもつ米国の歴史を知る必要があります。「オリバー・ストーン~」は抄録ではありますが、学校では教えてくれない米国の本音を手っ取り早く知ることができます。「砂糖の世界史」は主にイギリスの覇権時代の話ですが、世界史の事実を列強の欲望や意図をベースに理解しなおすのに有効な作品です。
10. 「新聞が消える」アレックス・S・ジョーンズ
こちらは歴史書ではないのですが、陰謀・密約などが明るみに出るためにはジャーナリズムが必要だとする筆者の主張に強く共感するところがあり、挙げました。資本主義の果てでは、こうしたジャーナリズムの独立性をどう保つかは悩ましいところではあります。ちなみに、皮肉にも本作ではオリバー・ストーンの「プラトーン」を例に、虚構はあくまで虚構であり、ジャーナリズムとコマーシャリズムとの峻別の対象となっていました笑。
終わりに
この一年ブログを通じて感じることがありました。
当たり前ですが、色々な人が色々な本を読んでいました笑。書評の内容もさることながら、私とは異なる観点でのラインナップなどが非常に参考になりました。ありがとうございます。私の読書方針は引き続き、世界の辺境で自分と自分の家族が生き残るための読書、です。原則備忘のためではありますので、たまに生意気なことを書くかもしれませんが、出来るだけ書くことそのものについても精進して参るつもりです。何卒ご容赦頂ければと思います。
改めてですが、一年間お世話になりました。
それでは皆様、良いお正月をお過ごしください。