作品について
イギリスの児童作家として有名なるロアルド・ダール氏の作品。
守銭奴中古車ディーラーの家に生まれた天才児マチルダ。1歳半で完璧なスピーチをこなし、3歳で新聞を読む程であったが、親には恵まれない。父親からは嘘つき呼ばわりされ、母親からはネグレクト状態。長じて学校に通うようになり、担任のミス・ハニーにその才能を見出されるも、恐怖の校長トランチブル女史が立ちはだかる。マチルダは果たしてこの壁をどう超えるのか。。。。
感想
いやー、面白かった。毎日一定量を読もうと思っていましたが、どんどん面白くなっていき、最後は一気読みで読了しました。220ページ程の長さですが10日位で読了致しました。
マチルダが可愛い!
まずはこの主人公マチルダの描写が可愛い!毒親に囲まれながらも、いじけず健気な態度に心打たれます笑 そして倍返しでは済まないような酷い仕返しを行うところが痛快です。また、こどもが背伸びした態度や言葉遣いをする様子も描写されてて、とっても可愛いです。マチルダの場合はマジで頭いいっていう設定ですが、頭の良し悪しではなくて心が純なところがいい。
ミス・ハニーが物語の展開点に
さらにこの作品にひねりを加えるのがミス・ハニーです。マチルダの唯一の理解者である一方、過去に心の傷を加えており、後半はこの人物の過去を因としてストーリーが大きく展開します。このミス・ハニーの存在があることで本作は大人の読書に耐えうる深みが出ていていると思います。
英語
実は英語は結構難しいと感じました。鬼校長がこれでもかと周囲を罵倒するのですが、アホ(twit)、山賊(brigand)、クソガキ(bad brat, stinker)、ちび助(midget)、ニキビ野郎(carbuncle)とか、およそ学校では習わないような単語が目白押しでした(結構真面目に調べて堪能しました)。でも、挿絵を描いているクウェンティン・ブレイク氏の絵が随所に書かれており、高校卒業程度の英語力があれば、辞書を使わなくても概要は理解できると思います。
挿絵が素敵じゃないですか?笑
映画化
なお本作は映画化されている作品ではありますが、映画はイマイチお勧めしかねます笑 せっかくのロアルド・ダールの雰囲気が余すことなく矮小化され、ドタバタハリウッド子供映画に矮小化されています。ネットフリックスで見てみましたが、まあ別物として取り扱うべきでしょう。
おわりに
今回も本棚整理の一環で娘の「おさがり」を読みました。
子ども向けにもかかわらず、途中で大きなツイストがあったり、プロローグでは親の子を思う気持ちなんかも書いてありして、親の気持ち「あるある」も味わえるところも良かった。単語はちょっと小難しいけど、ボキャブラリービルドも目的としてあったので私には適切な難易度だなあと思いました。
英語を勉強したい大人、子供が好きな方には楽しんでもらえると思いました。
評価 ☆☆☆☆
2021/02/11