先日読んだ、娘のお下がりの”Wonder”は非常に面白かった。感動しました。涙目になりました笑
本編はその続編。前作が良かったということで、娘にせがまれて購入したものです。こちらをまたぞろ娘の本棚から失敬して読んだ次第です。
さて、感想ですが、これまた前作同様、非常に面白かった!
前回は主人公で顔に障害のあるAugustを中心とした話でした。
今度は、前作では取り上げられなかったJulian(いじめっ子)、Christopher(Auggieの昔の友人)、そしてCharlotte(AuggieのWelcome buddiesの一人)の3人からの視点でした。
読み終わったばかりなので後半部分の記憶が濃いのであれですが、Charlotteの章が一番良かったかなあ。まあJulianの章が良かったですけど。そういうとChristopherのもまあまあ良かったんですが(全部いいのかよ!?)
Charlotteの部でよかったのは、女子の心の成長が瑞々しく描かれていたところ。完全に学園ものの世界。物語の最後に5年生の終業式があり、Ximena Chin(スペイン人と中国人のハーフという設定)が答辞を読みますが、そこで「信頼は互いに知ることでこそ築かれる」的なことを述べて終わります。恐らくこれはXimenaやCharlotteのみならず筆者の想いなのだと思います。いいじゃあないですか、私も同感ですよ。
Julianの部では、やはり彼の回心の部分がいい。金持ちで、親が弁護士で、おばあちゃんがパリに住んでいるとか相当鼻もちならない奴で、彼のAuggieへの仕打ちに親も乗っかってモンペと化しますが、最後は彼自身が騒動に終止符を打ちます。学校を訴えるとか訴えないとか相当騒ぎが大きくなったのに最後はJulianの回心で収まるのは現実にはちょっとあり得ない展開ですが、物語ですので良しとします笑
おわりに
改めて本作(前作も含め)が大人にも(大人にこそ)読まれるべき作品であると感じました。というのも、物語に通底しているテーマは、受容・信頼・コニュニケーションなどです。これらは大人の世界でも物事をやり遂げるのに重要な素養だと感じたからです。
あいつは嫌な奴っぽい、何かむかつく、とか、印象で人を判断すること結構あります。一度ちょっとイザコザがあるとコニュニケーションをとろうとしなくなることもあります。その後、場合によっては素っ気ないメールだけで大切な伝達を済まそうとします(これがまた誤解を増幅したりする)します。これこそが大人の世界で見られる残念な事象です。
物語の登場人物達はこうしたわだかまりを素直な気持ちや会話をすることで乗り越えています。我々大人はきちんとできているでしょうか? 結構投げやりな態度をとっていることが多い気がします(「あいつがそもそもいけない」とかオーナーシップのかけらもない発言をしてみたり)。
こうした作品を読んで素直な気持ちを取り戻すのですよ笑!! という事で、子を持つ親、そして自己認知力を高めたい大人には是非とも読んでみてほしい作品でした。
評価 ☆☆☆☆
2021/05/15