ワクチン接種後気分が優れず、やる気が起きない倦怠感にとらわれ、普段読んでいる本も集中して読めない日が2日程続きました。そこでもっとライトな本を読んでみようと思い立ち、もう二回は読んでいる本作を試しに読んでみる。普通に面白く読めました!
東野氏による有名シリーズ「ガリレオシリーズ」の記念すべき第一作。
短編5編による本作ですが、小気味良い展開と驚くばかりの科学トリックは25年前の作品とは思えないほどです。面白くてサクサク読めます。
気になる点。
ドラえもんなどの長期シリーズで当初のものと時代が下ったものでキャラが結構違っているように、本作のガリレオ先生こと湯川は最近の作品の中とではちょっと雰囲気が違う気がします。なんというか、もっとぶっきらぼうでシニカルな感じです。面白さには影響ありませんが。
むしろ本作で特筆すべきは佐野史郎さんの解説ではないでしょうか。
この解説の中で、実は東野氏が、佐野氏が映画『夢を見るように眠りたい』で演じた探偵をイメージして探偵ガリレオを書き始めた旨が綴られています。なんと!そうだったんですね(ただ佐野氏と実写の福山氏では大分違いがあるようにも思えます・・・)。他にも佐野氏が好きだという推理作家セバスチャン・ジャプリゾ(済みません、知りません)のことなどが熱めに語られており、文章を読んでいてこの人は楽しく書いているんだろうなあと想像できるところが本好きとしては読んでいてほっこりしました。
おわりに
シリーズとしては定番化していると言っても過言ではないガリレオシリーズですが、第一作を読んでいないひとは意外と多いのではないでしょうか。とても読みやすく面白い作品だと思います。うちの本嫌いの息子は本シリーズを中学生の時に読んでから読書に興味を持ってくれるようになりました! 老若男女にお勧めできるエンターテイメントです。
評価 ☆☆☆☆
2021/09/28