海外オヤジの読書ノート

中年おじさんによる半歩遅れた読書感想文です。今年は会計と英語を勉強します!

アクセルとブレーキを両方踏んでいる。だから変われない。 ―『なぜ人と組織は変われないのか』著:ロバート・キーガン、リサ・ラスコウ・レイヒー 訳:池村千秋

 

変わりたい、変わろうと努力している。なのに全然改善できない。そんな思いを抱いたことはないでしょうか。

痩せたいけど、甘いもの・脂っこいものを食べちゃう。勉強しなければいけないけど、携帯見ちゃう。話を聞けるよい父親になりたいのに、また怒鳴ってしまった等々。

 

本書はそうした変わりたいけど変われない人の心理に潜む構造を明らかにし、人は幾つになっても変わることができる、と主張する作品です。

 


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変化を阻む原因とは

では変革を阻む原因とは何か。それは、自己に潜む「強力な固定概念」です。

 

人は矛盾を抱える生き物です。向上したい・自分を変えたいという気持ちに偽りはないものの、その裏には自分の変革を阻む固定概念が巣食っていることを認知せよ、と説きます。

 

例えば、とある若き部長の目標。彼は自分がやるべきことに集中し、権限移譲をすすめる目標があった。でもそうできなかった。すぐに新しいことに手を出し仕事を増やし、大量の仕事を抱え込み、他人に助けを求めない旧来のスタイルから抜け出れない。そこで自らを振り返り、自己の底に潜んでいる、「他人に依存せず万能でありたい」「自己犠牲の精神の持ち主でありたい」「課題をやり遂げる方法を見出せなければ、価値ある人材でなくなる」等の当初目標とは相反する想いを抱いていたことを発見する。

 

一段深い自己認知の必要性

本書ではこのような状況を「ブレーキを踏みながらアクセルを踏む」と呼んでいました。確かに、人は往々にしてそうした潜在的な自己保存的欲求に気づかないことが多いと思います。

 

その点本書が促すのは、問題に対するテクニカルな(ある意味表面的な)ソリューションではなく、むしろ一段深層の自分の欲求に気づくよう省察することです。

 

本書では、筆者が提唱する「免疫マップ」という手法を駆使して深層の欲求を認知し変化のきっかけをつかむ事例がこれほどかというほど載っています(読んでいて途中でだるくなるくらい載っています)。

 

組織の変革はトップダウン

なお組織の変革についても書かれています。こちらはあくまでリーダーやトップが出張らないと組織は変わらないというのが結論。やり方は個人のものと同じで個々人の持つ変革目標とそれを阻む固定概念を組織ぐるみで作成し回し読みするような感じ。

 

因みに、私「この腐った会社をどうにか変えてやりたい」という思いを胸に本書(タイトルに注目!)を買いましたが、この点では肩透かしでした。窓際平社員のボトムアップによる組織変革は流石に無理っぽいです笑 まあ地道に自己の能力向上を目指します。

 

おわりに

もともと教育系学部で教鞭をとる筆者の研究のメインは、人の行動の可塑性、のような話。その点で「人は幾つになっても変われる」という結論は、本人だけではなく、私のような中年のおっさんにも福音のようなメッセージでありました。

 

自分を変えたいという真摯な方が自己省察を行うのにはとても良い本かと思います。私も自分でも試してみて、自分の底に潜む強い固定概念を知ることができました。

 

ただ、自分を変えるという意味では今私が並行して読んでいるレイ・ダリオ「プリンシプル」の方が包括的なように感じております笑。極端に行きたい方は「プリンシプル」の方がお勧めです。

 

評価 ☆☆☆☆

2021/10/29

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