海外オヤジの読書ノート

中年おじさんによる半歩遅れた読書感想文です。今年はセカンドライフとキリスト教について考えたく!

密度の濃い世界史本。というか教科書! ― 『詳説世界史研究』編:木村靖二、岸本美緒、小松久雄

かつて息子の高校受験用に契約したスタディサプリ。コンテンツ見放題なことをいいことに、一念発起して大学受験用の世界史の講義を聞き始めて早一年。猿人の発生から現代までを4回通して視聴し、思いました。耳だけでなく目でしっかり文字で追って内容を読みたい!と。

そして、色々探してこちらをチョイスしました。こちら通読し終えて、これで世界史5回転達成!さて、私はどこへ向かっているのでしょうか。。。。

 


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長年、勉強しなかったことにちょっとしたコンプレックスを感じていた世界史。40代後半にもなって、酔狂なことにこの世界史に手を出しました。

でも、知れば知るほど面白い。これほんと。今ある現代はすべて過去の結果であるわけで過去を辿ることで現在が理解できると考えております。

 

ひとことでいえば

で、本書ですが、めちゃくちゃ教科書感満載です。というか教科書にしか見えません(実際教科書がベースだそうです)。だからか、興味があって購入し読み始めたものの、疲れてたりすると眠気が襲ってきます。そういう本です。

 

いいとこ、わるいとこ

さて本書の強みですが、何といっても網羅性だと思います。世界史の端から端までしっかり勉強できます。特に密度が濃く感じらるのは19, 20, 21世紀を扱う最後の3章。国民国家エスニシティ、グローバリゼーション等にも言及があり、読みごたえがありました。

 

また、所々で挿入されているコラムは歴史的事象を違った切り口から紹介しており興味をそそるものが多かったと思います。

例えば倭寇について。倭寇という名とは裏腹に中国人の参画も多かったそうですが、その多くは自国での生活苦・困窮が原因であったとか。なんて書かれると中国の往時の政治体制にも興味が出ませんか? またフォードがT型で成功した後にGMに追い抜かれた理由の一つが、GMレバレッジを利かせて(つまり借金して)多くのモデルチェンジを仕掛ける一方、ユダヤ人嫌いのフォードは銀行からの借り入れを拒み、失速することになったとか。なんて書かれると米国の金融史や陰謀論にも興味が湧きませんか? ま私だけかもしれません笑

 

反対にイマイチだったのは、やはり文字なので、注意力を維持するのはなかなか難しいということ。ゴシックで強調とかはありますが、塾や映像授業のように「ここ大事」とかの注意喚起は当然ないので、これだけのものを集中して読むのには苦労します。まあ本がいけないわけではないのですが。

 

結論

ということで、世界史をヘビーに勉強してみたいという方にはお勧めできます。私は別途子どものために契約した「スタディサプリ」の世界史を見つつ、資料集として帝国書院「最新世界史図説 タペストリー」も横に置いて読みました。

 

まあこれだけ読んで偉いわけでも褒めてもらえるわけでもありませんが、自己満足度はかなり高いです。おかげで家庭内でのウンチク垂れが増えたと思うのですが、家族の皆が受け流すのが上手(というか聞いていない)なので助かっております。

もし皆さんが世界史を高校時に学ばれていないのであれば、是非この機会に世界史を学ばれてはいかがでしょうか。そこにはまさに「世界」が広がっています!

 

評価 ☆☆☆☆

2021/12/12

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