海外オヤジの読書ノート

中年おじさんによる半歩遅れた読書感想文です。今年はセカンドライフとキリスト教について考えたく!

遺跡を巡るミステリー。舞台で演じたら映えそう。 |『MAZE』恩田陸

遺跡。ロマンを感じます。今は廃墟となり朽ち行く壁際にそっと手を当てて、数百年前、いや数千年前にもそこに人が生を営んでいた。

…なんて考えるだけで少し興奮します。私は遺跡も古墳も行ったことははありませんが。

今回は遺跡を巡るミステリーを読んだ次第です。

 


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あらすじ

アジアの西の果て、荒野に立つ直方体の白い建物。一度中に入ると、戻れない人間が数多くいるらしい。その「人間消失のルール」を解明すべくやってきた男たちは、何を知りえたのか? めくるめく幻想と恐怖に包まれる長編ミステリー(裏表紙より)

 

この謂わば「人喰い遺跡」をめぐり、西アジアの果ての人里離れた地域で大人4人がパーティーを組んで7日間を期限に謎を解きます。構成の内訳はおかま?の製薬会社社員の神原恵弥、その同級生時枝満、米国軍人スコット、そして現地コーディネーターのセリム。

 

どうやら神原恵弥というキャラクターのシリーズものらしいのですが、今回の実質的主人公は満。彼が安楽探偵として、当初提示された「遺跡の中には入らない」という制約を踏まえて謎に挑んでいくという筋です。

 

私は物語の展開をあまり読まない(読めない)タイプで、次々と起こる怪奇現象におどろき、最後の結論に驚き、なるほどねぇー、などと独り言ちつつ楽しみました。ただ、思ったより突飛な展開ではありません。

 

一つ特長を言えば、上記の4名がメインキャラでそれ以外殆ど主だった登場人物が出てきません。ですので、舞台で演じたら絵になるかもなあと感じました。

 

おわりに

恩田氏のイメージは青春なのですが、色々と渉猟してゆくとホラー系・ミステリ系も得意なのかもしれません。氏の『三月は深き紅の淵を』『Q&A』など謎解き系が好きな方は本作も楽しめるかと思います。

 

評価 ☆☆☆

2022/03/18

 

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