海外オヤジの読書ノート

中年おじさんによる半歩遅れた読書感想文です。今年はセカンドライフとキリスト教について考えたく!

旅情をくすぐる2時間ドラマ的な|『クレオパトラの夢』恩田陸

読んだ冊数を比較しても意味がない、と子供には散々言うくせに、ちょっと忙しくなって読了する冊数が少なくなると、何かこう、ちょっと数を稼ぎたくなります笑 で、気晴らしも兼ねて私の好きな恩田さんの作品をチョイスしてみました。

 


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裏カバー あらすじ

シリーズ第一作『MAZE』で非凡な才能を見せた神原恵弥。その彼が北国のH市を訪れた。不倫相手を追いかけていった双子の妹の和見を連れ戻すためだが、もう一つは重大な目的があった。それはH市と関係が有るらしい「クレオパトラ」と呼ばれるものの正体をつかむこと。人々の思惑や駆け引きが交錯する中、恵弥は何を知ったのか。粉雪舞う寒空に広がる、恩田陸の無限のイマジネーション! 解説・三浦しをん

 

 

実は本作を衝動買した後にあらすじを読んで初めて、これがシリーズものであることを知りました。そのまま本作を置き、律義に一作目を買いなおして読み、そしていよいよ本作です。

 

本作は一言で言うならば肩の凝らないエンタテイメント。オカマ系イケメンの神原恵弥が北海道で「クレオパトラ」の謎を追います。この主人公の万能さ+オネエキャラの組み合わせは、ちょっと古いのですが北条司氏の『シティー・ハンター』の冴羽獠のようなポジションかもしれません。ほぼ完ぺき+弱み(女に弱い)みたいな。その主人公が色々紆余曲折ありつつ大団円を迎える様はちょっとした火曜サスペンス的な小気味の良い纏まり感を感じさせました。

 

さて、若干のネタバレになりますが、主人公が製薬会社関連ということでこの「謎」は薬関連でありました。ジェンナーの牛痘の話が大いにフィーチャーされていましたが、Kindleをお持ちの方は青空文庫のジェンナー伝が無料ですので是非。コロナ禍もそろそろ一段落の様子ですが、ワクチンの仕組みをおさらいするのも乙なものです。

 

lifewithbooks.hateblo.jp

 

 

そうそう。で本作、舞台が北海道というのがいいです。夜景とか海鮮とかって出てきたらH市ってどうやっても函館じゃん!ってわかるのです笑。25年以上前に一度行ったっきりの北海道にまた行きたくなりました。

 

スリラーとしては最後はちょっと驚きました。はあー、そういう事かと。そっちが繋がっていたのねと。ただ、思いっきりやられたー、という程の驚きはありませんでした。

 

おわりに

上にも書きましたが、二時間ドラマ的なエンターテイメントだと感じました。出張のお供、疲れた時など、半日の気分転換としていかがでしょうか。ちょっと旅情をくすぐられます。北海道、行きたくなったなあ。

 

評価 ☆☆☆

2022/04/10

 

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