ここ数か月、忙しさにかまけて読書ペースが落ちています。本作は英語の本ですが、読了に一か月かかってしまいました。英語の本はどうやったら早く読めるのか?。。。今更単語の暗記とかもしたくないしなあ。。。うーむ。
オスカー・ワイルドという作家をご存じでしょうか。 ん?オリバー・ツイスト?(それはディケンス)、ジョージ・オーウェル?(1984ね)、ジョージ・ルーカス?(大分離れたよ!映画監督ね)…近現代の作家は数多くいらっしゃいますが、本作者、名前はうっすらご存じ、という程度の知名度ではないでしょうか。マイナーとも言えないけどメジャーというにはちょっと、という世間的位置づけに感じます。
で、オスカー・ワイルド(1854-1900)氏ですが、アイルランド出身の劇作家・小説家。『サロメ』や『ドリアン・グレイの肖像』が有名ですが、残念ながら私は未読。実はルックスが結構印象的で、今から100年以上前に活躍したことを考えますと大分ヴィジュアルがモダンな方です(単なるロン毛?)。ポリ・コレ的に良いのかわかりませんが、序章の解説にはhomosexualという単語や最初の彼氏の話などが出てきていました。
*髪型が印象的
内容は良かった!
変な先入観を持たせてはいけないのですが、作品は面白かったです。繊細で美しく優しい英語を使う方です。本作は短編集・寓話集という体ですが、子供が読む教訓話というより大人が味わう寓話集かと思います。イメージ的には、もうちょい起伏のある『星の王子様』みたいな(表現力がなくて申し訳ないです)。素敵かわいいけど、もちょっとスパイシー?(余計伝わりませんね…)
所収タイトル一覧
一応所収作品を以下に挙げておきます。
The Happy Prince (よかった)
The Nightingale and the Roses (よかった)
The Selfish Giant
The Devoted Friend
The Remarkable Rocket
The Young King
The Birthday of Infanta
The Fisherman and His Soul
The Star-Child
The Lord Arthur Savile’s Crime
The Sphinx Without a Secret (よかった)
The Canterville Ghost (よかった)
The Model Millionaire
やはり一番完成度が高いと感じるのは The Canterville Ghost。英国に300年住み続ける誇り高き幽霊が俗物米国人家族にけちょんけちょんにされる話。The Happy PrinceやThe Nightingale and the Rosesもかわいくて素敵な童話。繰り返し表現や倒置が多用される美しい英語が味わえます。Sphinx Without a Secretは結ばれなかった神秘的な女性についての回顧話。都会的な雰囲気が続くも最後にオチがつきクスリと笑える話です。
おわりに
ということで、英系文学にまた一歩踏み込むことができてうれしかったです。本作、寓話・童話・昔話を多く含むことから、古い英語(thee, thouなど)が結構出てきますが、文法は難しくありません。美しい英語や倒置表現などを味わいたい方にお勧めできます。そういえば、学生時代習った”No sooner than”っ表現を発見しました。「~するや否や」というやつです。いやあ、本当に使うのですね。
評価 ☆☆☆
2022/05/24
※表紙はCanterville Ghoseのものと思われますが、髪型からするとモデルはオスカー・ワイルドかと思われます。
Canterville Ghostは以前Retoldでも読みました。
本作収録作品は翻訳も沢山出ているようですね。ご参考までに。