実をいうと、この手の本ははあまり買いたくはありませんでした。甘っちょろい話をすると、子供には伸び伸び育って欲しかったし、言われなくてもやる気を出してほしいと感じていました。
高校二年にもなっても全くやる気を出さず(というか学校の勉強すら余裕でしないんです)、下宿先の祖母が心配する始末。ということで、子供のやる気を何とか盛り上げるために勉強法の本を幾つか読んでいます。
で、生徒に語りかける本はいくつか読んだのですが、親向けの本はこちらが初めて。
親の心を透視している?
最初の一ページ目ですでに私の心を鷲掴み。曰く、
子供に勉強をさせようと、評判の良い参考書をインターネットで探したり、塾・予備校に話を聞きに行ったり、ママ友に相談したりなど、色々と試行錯誤している人は少なくないでしょう。
「高校受験の時には目標を高くもってがんばっていたのに、高校に入ってからはスマホばかりいじっている」「自分は勉強ができないと、はなから諦めている」「言い訳ばかりで全然勉強をしようとしない」…。私が運営する予備校にも、こうした悩みや相談が受験生の親御さんから数多く寄せられています。(P.16)
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これ、そのまんまうちの話です!そう!そうなのです。このくだりで気持ちを持っていかれました。特に第一章の「受験は自分のものであると意識させる」、これがまたしびれました。これこそが欲しかった情報。
なおこの章で筆者は子供の類型を4パターンに分けてそれぞれやる気を出させるアプローチ方法を説いています。会社別平均年収ランキングを使うとか、大分現金なやり方も使っている?ものの、現実を見せるというのはなかなかいい手だと思いました。もちろん、多様な子供たちをそんな簡単に分類できるのか?とか、結局親が色々調べてプレゼンせなあかんやないかとか、色々な声も上がりそうです。でも私としては、それでやる気をだしてくれるのなら喜んでやるべきととらえ、本作の内容をアレンジしてパワポでも作ろうかと思います。
それ以外の章の内容は、試験制度とか出願戦略とか学校・塾の活用方法とかですが、一通り押さえておけばよいかなという程度の内容だったと思います。
おわりに
改めてですが親というのは簡単ではありません。親がいなくても子は育つ、これは真実でしょうが、親にとってはいつになっても子供は子供、これもまた真実です。口や手をダイレクトに出す子育てから、言わない・見守る子育てへとステージが変わりつつあります。その観点では、上記の中間、子供をうまく誘導?するというステージの本なのかもしれません。
子供の心配は今は今でそれなりに辛いのですが、数年後巣立ったら巣立ったでこれまた寂しく感じるのだろうなあと考えつつ読ませていただきました。
評価 ☆☆☆
2022/05/25