海外オヤジの読書ノート

中年おじさんによる半歩遅れた読書感想文です。今年はセカンドライフとキリスト教について考えたく!

むしろ中国古典学習の副教材として | 『論語と算盤』 渋沢栄一

皆様ご無沙汰しております。2年半ぶりの日本への一時帰国を控え、仕事に子供の勉強にバタバタしておりました。ついでに家内の更年期?の諸々もあり、読書に全く取り組めていない今日この頃であります。


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ひとこと感想

端的に言えば、論語と同様、ややまとまりに欠けた箴言集、というのが率直な印象であります。

そもそもの購入の動機

手に取ったきっかけはKindleのセールで激安だったことはもとより、世の中全般にゆるやかに浸透する金銭至上主義への自分の中での違和感が本書により裏打ちされるのではとの期待があったからです。あるいは自分が金銭的な十分さに至らないでいる現状へのルサンチマンが自分をして本書を取らしめたのかもしれません。

明治の意識高い系、やや具体性に欠けるか

いずれにせよ、本書の展望しているところは、私のような卑しい視点とははるか隔たりがありました。曰く、商売においても論語で語られるごとくの仁義道徳が必要、喜怒哀楽をよく制御し気概をもって商売に臨む、与えられた仕事にその時の全生命をかけて真面目にやり通す、等々です。うーむ、喜怒哀楽や与えられた仕事云々については、おっさんながら読中も反省することしきりでありました。

さてこの渋沢氏、江戸末期から明治、大正、昭和を駆け抜けた方であり、21世紀の現代のからすると、どうもくどく感じられ、理念理想も強く表現されており、私個人にはややうるさく思えました。もし、渋沢本人の体験が語られ、さらに論語の理論的背景もあり、その結果やはりこうだ、と論じてもらえていたならばより説得感もあったのかもしれませんが。

他方で、Kindleに毎回表示される類書や解説の多さを見ると、単なる通読一回で判断する類の本ではないであろうことが類推されます。否、解説書による周辺情報を読み込んで初めて味わうことができる至宝であるかもしれません。その点では、再読・解説書の購読等を経て再度自分の中での感触を確認してみたい本です。

おわりに

ということで、初回通読だけではおじいちゃんの説教話、の感触の域を出ませんでした。自分の感受性の低さが悲しいですが、機会があれば中国古典を学習の上、再チャレンジしたいと思います。

 

評価     ☆☆☆

2022/07/27

 

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