突然ですが、月曜日にコロナ陽性となり家庭内隔離をさせられています(こんなこと書くので、軽症ですが)。
先週ずーと調子が悪かった家内に代わり、掃除、洗濯、料理、子供の送り迎え、子供の教育、と仕事そっちのけで家を優先させ、「あー、たしかにワンオペってのはものすごく大変だな」なんて気安い感想を感じていているさなか、妻の陽性が分かったのが木曜。至急家内を寝室に隔離したものの、次第に私も調子が悪くなり翌週月曜日に陽性反応。アウト。
ただし家内は逆に調子が良くなり、私が交代で寝室で隔離。
したら、ワンオペの反動か、何だかめっちゃ快適!?掃除も洗濯も、子供との勉強も、すべてやらなくていい(というかできない)。おかげで仕事と読書がズンズン進んでいきます。奥様、いつも有難うございます。あまり無理しないでください。
そうそう、何でこんなことを書くかというと、3食黙々と自室で食べるっていうのがなんか刑務所っぽいかなって・・・読みながら感じたというだけです。アーチャー卿も実は仕事が結構捗ったのでは?と少し疑いました。環境は全く違うんだろうけど。
ひとこと感想
うーむ、うーむ。いまいちなのではないでしょうか?
期待が高すぎたか
前作の地獄篇はワルの巣窟に放り込まれた育ちの良いおっさん、というテイストでした。
前作と違い、本作はより開放的で軽犯罪の囚人のおおいウェイランド刑務所での話。どうしても囚人エピソードも「小物」感が漂います。自覚しているのか否か、本人の筆致も単調になりがち。入獄22日目から89日目までの68日分の日記が収められていますが、結構似た毎日の繰り返し。ある意味、私の送っている単調な生活を見返しているかのような錯覚も笑
起床、執筆、朝食、礼拝(ないし教育)、昼食、ジム、夕食、執筆、就寝。この合間合間に、たまに外部から面談があったり、職員から呼び出しがあったり、みたいな感じです。
こう考えると、地獄篇1冊で21日ですから初めのベルマーシュ刑務所での3週間がどれほど濃かったことか。
唯一の山場?セルジオ
その中でも一番の見せ場はコロンビア人受刑者のセルジオとの丁々発止のやり取りか。
セルジオが刑務所内からコロンビアの兄に電話し世界一(と自称する)エメラルドをアーチャーに売ろうとするくだり。お互い外部ネットワークを苦労して使い、そしてお互い対面で値踏みをしながら付き合うという緊張感が良かったです。結果は書きません笑 このセルジオはポテロという画家にも伝手があり作品を安く融通できるとけしかけ、アーチャーも食いつきます。結末は是非読んでいただきたいのですが、アーチャーもアーチャーで結構山師的な要素がありますね笑
たしかに不思議と魅力的な絵ではあります。私の好きなアンリ・ルソーの絵にちょっと絵面が似ています。フラット感が素敵。
おわりに
ということで英国ベストセラー作家の獄中記第二巻でした。個人的には若干肩透かし気味でした。
あとがきで訳者が「第三作の邦訳も来春お届けできる予定」と2004年7月に語っているのですが、Amazonで見る限り検索ヒットしません…。3作目は英語で読もうかな、本が安ければだけど。
評価 ☆☆☆
2022/12/06
こちら獄中記三部作の第一作。なんかイメージが誤っている?あんま気にしませんが。。。