海外オヤジの読書ノート

中年おじさんによる半歩遅れた読書感想文です。今年はセカンドライフとキリスト教について考えたく!

副業の手始めに。視野の広がる本 |『小商いのはじめかた』監修:伊藤洋志 編:風来堂

近年、企業でも副業を許すっていう報道があると思うんです。終身雇用や年功序列が崩れ、ラインの管理職になれない年配者がどこの会社にもわんさかいるんじゃないかと想像します。そういう給料が上がらない人は自分で知恵を絞って稼いでね、という社会からのメッセージなのかなと捉えています。

 

振り返れば私なんぞは、そんな出世できない年配者の一人でして、氷河期ドンピシャのうらぶれた中年であります。出世できないまま海外に出てしまっているので、日本の年金も望めず(国民年金のみ)、おまけに退職金制度も今の会社にはありません(私の在所ではないのが普通)。

 

ということですと、やっぱり、自分には副業?というか何か別口の収入が必要じゃないかと思い至った次第です(遅いよ!)。

 

今の会社は定年60歳で、受給開始65歳までの5年間もさることながら、受給開始しても手取り額が少ないし。おまけに仮に私が早死にしたら、家内が困窮してしまいます。家内も年金受給資格は満たしていますが、三号被保険者の時期が長かったし、外人は日本の永住権あっても国外にいると任意加入ができないというルールとなっています(払いたくても払えない!)。

私も今は50手前ですが、55くらいまでにもう一つ、細くても別収入が固められたら、と考え買ったのが本作であります。


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なるほど良く分かる、でも簡単ではない!

でひとこと言えば、真似するのは簡単ではない。むむぅー、という感じです笑

 

商いは意外と身近にある

もちろん学びは多くありました。

まずもって、本作は18件の小商いを始めた方々のライフストーリーです。だから本当に背景や理由も様々。副業っていうと、もうなんか専門的なものを持っていてそれを梃に始めるとか、ITバッチシ理解してて、ネットでSEO対策してアフィリエイトを云々とか、とても敷居が高いとか結局本業以上に頑張りが必要とかいう感じがありました。

しかし、作中の方々は何というか、本当に身近なところから商いの種を見つけているんですよね。それこそ隣のおばあちゃんの買い物の代行みたいな。そういう身近なお困りごとを逆手に取るという観点は良かったなあ。

他にも、フリーマーケットや青空市での出品をテストマーケティングに使うとか、地の利を生かす、自分が欲しいサービスを形にする、地域差を利用する、ネットを利用する、等々随所に出てくるワードには、ふむふむってなりました。

 

おっさん事例、ございませんか泣

他方で、ちょっとなあと感じたのは、やはり若い方の事例が太宗だったということでしょうか。

私のような子育て終盤世代(というかここから教育費のピークを駆け上がる世代)の事例なんかはないんですよね。なので、若い方が思い立って田舎へ移住する、とかいう本に出てくるような選択肢は私はちょっと取れないなあと感じた次第です。

また、「好きが高じて」という事例も幾つかあったのですが、私なんぞはその「好き」が分からなくてここまで来ちまいまして、という輩であります。だから、好きが突き抜けている人はちょっと参考にならなかったかなあ。

 

おわりに

ということで、小さく始める商い事例集でした。

色々書きましたが総論は参考になりました。少なくとアクション取ってみる気にさせてくれました! また、各種手続きや資格、索引等をまとめた巻末の「小商い便利帳」は秀逸。考えるべきことがこんなにあるのか、とちょっと折れそうになりますが、問い合わせ先とかがしっかり書いてありますし、商い始めたら絶対便利だと感じました。

副業を考えている方、自営を考えている方、自分で何か始めたい方には参考になる一冊かと思います。

 

評価     ☆☆☆☆

2023/01/22

 

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