移住って言葉は私にとってはかなり魅力的。
日本を離れて、誰も知らない国で暮らしてみたいなあって思います。というか、しちゃいましたが。ただもう9年も同じ土地に住むと少し飽きが来るのも確か。
気力があるうちにもう一か国行けるか?最近同じことを繰り返す家内がボケないように、刺激の多い環境に置きたいなあ・・・。でもそもそも移住にコツとかあるのかな? なんて、うつらうつら考える今日この頃。
今の移住は家内の故郷へ行くという観点では、助けは山ほどありました。何しろ家内の家族が生活をフルサポート。でも全くの見ず知らずの土地で夫婦二人で生きていけるかしらん?
そんな思いで手に取ったのが本作です。
微妙に自己啓発的か!?
本作の感想を一言でいえば、ロジカルシンキングで考える移住、という感じです。
言語(英語)、料理、心体、物、お金、という五項目の現在レベルを1から5の5段階で自己採点し(採点基準も掲載)、そのどこが弱い・強いのかを自己認知し、目標を設定しそのギャップを埋める、という方向で移住の準備を着実かつ具体的に進めるという流れ。
上記の五項目がなぜ大事か、どうして大事かを多角的に述べています。
こうした自己分析ができれば、あとは問題解決の話でして、時間で縛ってPDCAを回す的な話になりそうです。つまり、仕事でPDCAをきっちり回せる方はあっという間に移住もできちまう、ということになりそう。まあそんな方は仕事でもプライベートでも充実してそうですし、海外移住なんかの夢を持つのか分かりませんが・・・。
老後の体験談とか知りたかった
少し物足りなかったのは、本作は「継続できる」と銘打つだけあって事前準備や心構えについて厚めに語ってある一方、出口戦略については語られていなかったこと。
今、私が個人的に一番気にしているのは年金であり、健康であり、私の親に万が一のことがあった場合の身の処し方です。つまり現在の居所を離れる・離れざるを得ない等々の「出口」でのジャッジです。おそらく読者ターゲットは20代から30代でありましょうか、そうしたポイントについては語られていませんでした。求め過ぎかしら。
ちょっと思い出しました。
株屋時代に知り合ったとあるご隠居。引退後の60代で夫婦で伊豆に移住したのですが、70代後半に広い一軒家はしんどいと、伊豆の居所を処分し都心へ引っ越されました。また私の現在の居所(東南アジア)でも多くの日本人がいますが、当地の日本人学校で定期的に日本人墓地の清掃のボランティアがあります。つまり本意かどうかはいざ知らず、国外で命を終える方々が相当数いるわけです。そういう方々や家族の声を出口戦略策定の一環として知りたかった。自分で本書けよって感じかもしれませんが。
おわりに
ということで、移住に憧れる方向けの、一歩踏み出すための本でした。移住を題材にしたロジカルシンキングの本、といってもいいかもしれません。
ぼんやり移住に憧れる、でも難しいなあー、みたいな人には参考になるかもしれません。駐在含めて海外で暮らしたことがある方にはもう必要ないかなー、という感じも受けました。
評価 ☆☆☆
2023/01/24
国内であれ、海外であれどうやってお金を稼ぐのかというのは問題。雇われない働き方をするのならば以下の書籍は参考になります。
目標に向かってタスクをこなすという点では、実は以下の本と雰囲気がそっくり。
移住も問題解決という観点で考えるのならば以下の本をお勧めしたいです。