お気づきの方もいらっしゃるでしょうが、最近、(今いるところとは違う)海外で、雇われないで生きていけないかと思案しています。
オンラインで仕事をするとか、はたまた地域密着とか、色々な方法や可能性を考えている最中です。数年がかりの検討にはなるとは思いますが、そうした中で出会ったのが本作であります。
因みに、個人的にはこの手のビジネス本・自己啓発系の本は苦手です。でも食わず嫌いはいけません(本でも)。昔から子供にも言っていたことでもあります。
ノマドワーカーという言葉が市民権を得てからしばらく経ちます。
国や場所を選ばず仕事をするというありかたですが、一般サラリーマンからしたら、遠い世界の話にも聞こえたものです。
確かに、昼間から喫茶店などで、こぎれいなジャケットを着こなしノートパソコンをカチャカチャやっている青年をしばしば見かけることがあります。でも、私のようなおじさんからしたら、もう得体の知れない仕事の仕方でありました。
そういうわけで本書のような作品を手に取り、問いたくなりました。
一般人も、否、私でもノマドワーカーになれるのだろうか、と。
一般リーマンのノマド化は平坦ではない!?
読後の感想からしたら、むむぅ、なかなか厳しいぞ。とこうなります。
少なくとも著者のような華々しいやり方は無理。自分の会社、他の社外取締役、趣味が高じて講師稼業。って、そのどれか一つでもできれば御の字って思ってしまいます(まあそれはノマド的ではないのですが)。
考え方は示唆に富む
但し、作中には会社に依存しない生き方という観点では示唆に富む内容であったように思います。
幾つか掻い摘んでみると・・・
ノマドになる前に複数のベースインカムを確保する。意図的な降格(乃至は昇給の拒否)を行い、自由時間を確保する。定型作業等の非クリエイティブ業務は極力効率化する。その効率化で空いた時間をさらに有効活用する。物価の価格差を利用して高物価地域で収入を得つつ消費は経費の軽い地方で済ませ、グロスの増進ではなくネットでの幸福度を狙う。
どうです? 私は概ね同意できる意見かと私は思いました。まあ、さらにこうして得たノマド的ライフスタイルそのものが商売のタネになるっておっしゃってますが、そこまではどうかなあとも思いますが笑
家族持ちには厳しいぞ、たぶん
他方で、やはり家族持ちにはノマド的生活は厳しいかなと感じました。
子育て・子供の教育というと、金銭的にも物理的にも安定というファクターは重要になるかと思います。その点でいうと、ノマドライフは単身者ないしは扶養義務のない方に有利なスタイルであると再確認した次第です。
おわりに
ということで、ノマド的生活の指南本でした。
本作は2012年初版ですが、実際に筆者のいうような生き方はコロナを経て大分現実感があるものになってきたように感じます。リモートで仕事を行い、データ保存はクラウド上のファイルサーバに、そして打ち合わせはZoom, WebEx, Teamsで、というスタイルです。
ただ、自立する、会社に雇われない生き方、というのはやはり難しいですねえ。改めて、俺何ができるかな、と自問する今日この頃であります。
評価 ☆☆☆
2023/02/12