海外オヤジの読書ノート

中年おじさんによる半歩遅れた読書感想文です。今年はセカンドライフとキリスト教について考えたく!

内容に目新しさはないも、経験者ゆえの言葉の重みあり |『50代から実る人、枯れる人』松尾一也

みなさんね、まあーこんな本、手に取らないと思うんですよ。

50代?いやあ、おっさんだし。遠い将来のことだし。って、そう思うでしょ?

 

あっという間にやってきまから!!!

 

・・・ここから先の将来の仕事・お金に不安なアラフィフの私。何とか先人の知恵を得たいと、すがる気持ちで購入した次第です。

 


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アラフィフはきっと読んでて楽しい

ターゲット層がごく絞られている本ですが、その分アラフィフへのエンパシー強め。

役職定年お疲れ様 → あー、パパ友のオンライン飲みでよく話題になってるねえ。親の介護 → オヤジのボケ、うちも始まりました。子供の教育の仕上げ → 子供が二人とも私立の高校いって財布が壊れました泣、等々、あーやっと俺の気持ちわかってくれる人が出たわあ、みたいな気持ちになります。

 

で、内容のノウハウですが、はっきり言うとどの年代でも必要なスキルの話が多く、内容も特に目新しいものはありません。どのページも実る人は〇〇、枯れるひとは××、と人生を簡単に二分法でまとめられると、うーむ、って黙ってしまいます。ただ、一つの業界で生き抜いた筆者の意見は、やはり響くものがありました。

 

一例を挙げますと、「人生を幸せにするものに気づく」にあるマーク・トウェインの引用の孫引き

「かくも短き人生に、争い、謝罪し、傷心して、責任を追及している時間などない。愛し合うための時間しかない。それがたとえ一瞬に過ぎなくても、良い人生は良い人間関係で築かれる」(P.36)

 

どうですか。美しいじゃないですか。

友人知人がちらほら鬼籍に入りだし、親の老いを見て、さらに自分の体でなかなかの不具合が見つかったりすると、どうしても死を意識します。そんな時にくだらない喧嘩とかしている時間はないんじゃね?ってまさにその通り。本当に大事な関係は誰となのか、そして多少の欠点は受容する心の広さを持とう、と思いました笑

 

あとは「発言をマネジメントする」(P.59)の箇所もなかなか。ベテランなりの矜持をもって自分の思いやノウハウを発信すべし、と勧めます。

これなんか私、海外のローカル社員として、日本の本社から派遣されてくる若い駐在の子なんか見ると、感じるところありです。一部の子はもうめちゃくちゃで、喋る気とかなくなることがあります。英語も業務も根回しや段取りも含めてそのレベルかと。別に部下でもないし増してや自分より良い給料もらってるんだから、勝手に傷ついて学んでよっていうのが最近の気持ち。でもこういうの読むと、まあ老婆心くらいはちょいと示しておいた方が良いのだろうな、と。

 

それ以外にも色々ありますが、全般的にはペースダウン、大事なものの選別、というのが通底する方向性かと思います。

 

おわりに

ということで、いわゆるハウツー系、自己啓発系でした。

タイトルほど浅薄な内容ではないですが、新奇さがある内容でもなかったかと思います。中高年の方が悩むポイントが書いてあるので、ドンピシャの年代の方、あるいは、人事関連の業務に就かれている方で若い方とかは参考になったりするかも、ってちょっと思いました。

 

評価     ☆☆☆

2023/03/02

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