海外オヤジの読書ノート

中年おじさんによる半歩遅れた読書感想文です。今年はセカンドライフとキリスト教について考えたく!

穏健で好印象、効きそう。いい人過ぎてインパクトは弱め |『医師がすすめる少食ライフ』石黒成治

これまで色々な健康系の本を読んできました。

痩せていたいとかスタイルを保つという目的がゼロではなかったのですが、基本はコンディショニングが目的です。サラリーマンたるもの、元気に出社して始業とともにフルスロットルが踏めてなんぼだという信念がありました。

ただ、実際には糖質ダイエット系の本、妙に断食を勧めてくる本など、完全にしっくりくるものにはなかなか出会えていなかったのが実情。

 

そしてアラフィフとなり、自分の体に衰えが見え始め、一層コンディションに気を払って生活したいと思っているさなかに出会ったのが本書であります。

 


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ひとこと

バランスの取れた良書だと思います。

他のダイエット本や理論を攻撃するというのも一切なく、「生活に節度を保つ」(P.24)ことを主張しています。

 

詳述すれば、食べ過ぎを避け、16時間程度の間欠的断食をすすめ、胃腸を十分に休める。また食べるものもなるべく自然に近いもの、食物繊維を取る、というところが主だったところ。炭水化物もタンパク質も適切に摂取。加えて運動や睡眠にも気を払い、腸の健康やデトックス(排便)にまで主張は及び、実に包括的なアプローチであります。

帯を見るとかなり穏健な健康本であることが分かりますよね。

 

ダイエット本の一部には、炭水化物や肉について、「それだけ」をすすめ、他を排除・否定するという論調が散見されます。でも、糖分もタンパク質もどちらも何世紀にもわたって人類とともに存在してきたわけで、完全否定するというのはどうも極端に感じるんです。ヒトの傍に存在してきたということは、なにがしかの有用性がそこにあったからではないのかなあと考えてしまいます。

その点では本作は実に「大人」な穏健なアプローチでコンディションを考えるものです。

 

なぜ少食がよいのか、理論的背景の追及おねがい

難点を言えば、やはりなぜ少食が良いのかがもっとわかるといいなあと思いました。本書にも米国での調査データの引用がありますが、少食と長寿に有意な関連があるというのが経験的にわかっているというだけのようです。なぜ少食だとコンディションが良くなるのか原因がはっきりしません。少食が体の「エマージェンシーボタン」を押すから?でも昔の人は食うや食わずやで、飢えている人は当然に長寿にならんしなあ・・・。

少食健康論の理論的背景がはっきりしてきたら、「ダイエットなんかしてないでもっと食べなさい」とうるさい母親にも対抗できるのですが笑 違うんだってば!別に痩せなくていいの、俺! 体にいいらしいんだって(っていう所で根拠が弱いなあってなる)

 

また、本作では固形食の16時間断食を推奨しているのですが、うちの家内とか娘とかは胃液の分泌が良いのか、空腹が続くと胃痛を引き起こしそれが結構引っ張るんですね。そういう場合はどうすればいいのでしょう(直接診察してもらうのがもちろん良いのでしょうが)。家族構成員の体質が異なると、「俺は先生のことを信じて16時間ファスティングする」とか勝手なことは言えないのがつらいところです。加えて、先生はスープダイエットを推奨していますが、成長期の子供に対してはやはりちょっと心配。試してみる気にはどうもなれません・・・。

 

おわりに

ということで、全般的には穏健で印象のよいコンディショニング本でした。

穏健過ぎて印象が弱めな本なのですが、結構正しいこと言っている気がします。類書と併せて勉強し、腹八分目をぜひ実践してみたいと思います。

 

評価     ☆☆☆☆

2023/03/05

 

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