海外オヤジの読書ノート

中年おじさんによる半歩遅れた読書感想文です。今年はセカンドライフとキリスト教について考えたく!

財務分析、業績予想、個人のキャッシュフロー表を作る方にはおすすめ |『外資系金融のExcel作成術』慎泰俊

年金の少ない貧しかろう老後を見据えて、会社という看板に頼らない生業(なりわい)を探す・探る、というのが今年のテーマです。まあ副業ですが。

今年も四か月が過ぎようとしていますが、その間、オンライン塾講師の登録をしたり(紹介制なのですが、まったく紹介してもらえず)、東南アジア移住のお話します(60分1,500円)という掲示を出したり(1件お仕事いただきましたが、準備が結構大変・・・)、山〇パンの工場で一日バイトしてみたり(高校生と時給同じ、って、高校生のムスコと俺のバリューって世の中的にはイコールってこと!?)、現在もいろいろあがいています。

 

継続していくうちに、こうしたアクションのどれかが、細い根から太い幹のように成長するといいのですが、「サラリーマンとしてしっかり仕事するほうがよほど楽だし、時間を投資したときのリターンも大きいよね」というまあ、予想された結果となりました。まあそれでも昇進のない窓際なので、どこまで更に踏み込んで(評価される業務の外に手を伸ばして)仕事をするか悩ましいのですが。

 

で、上記のような社外での経験が原因というのではありませんが、自己の業務の効率化を目指して読んだのが本作であります。

 


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財務経理畑の方向け

私の業務は、会社では計数管理とかって言われています。

何をするかっていえば、その名の通りで、フロント部署がどれくらい程度どんな商品で収益を稼ぎ(かつどんな要素で経費を使い)、ボトムでどの程度稼いでいるのか、を管理する、といえば端的な表現になるでしょうか。システムでそれくらい対応してほしいですが。

 

でこんなのはまあ定型作業で付加価値はほとんどないのですが、親会社から増資してもらうとか、三か年の業績予想を本社から求められるとか、そういう話をされると途端に固まってしまうんです。

そんな時に役に立つのが、こうした財務モデリングの本だと思います。

 

財務見込み・業績見込みを作るときの外資系的お作法集

改めて本作の内容を、誤解を恐れずにざくっというと、a)「数期にわたる財務諸表を」b)「一定のルールに沿って」c)「数式(参照)を使って表現する」、方法を解説することです。

で、本作の目玉は、上記でいう「一定のルール」の紹介、ということだと思います。要はお作法集、です。

 

まあ、財務諸表を何とか作るってのは、財務経理の専門家は多かれ少なかれやっていることかと思います。ただ、仕事のやり方といったら各人各様ですし、会社独自のルールがあったりしますよね。でも、比較的流動性のある(つまり業界で共通したやり方がある)投資銀行での財務モデリングの仕方というのはやはりその業界で働いたことがないと分からないものなのでバリューがあるのだと思います。

 

そのいくつかのルールをご紹介しますと、不要な罫線(とくに縦線)は極力消す、ですとか、リンクは緑・ベタ打ちは青・数式は黒、といった文字色の徹底など。結構単純?

私がこうして文字にするとどうにも説得力がないのですが、練習問題がついているので手を動かすことで実感いただけると思います。なかなか威力がありますよ。

 

小ネタ集も参考になります

加えて、本書では付随するエクセル使いの小ネタですとか、ショートカットの数々を掲載。こちらも重要だなと感じました。個人的にはショートカットは7-8割程度は知っているものでしたが、時短を目指すエクセル使いはこうした地道な努力を積み重ねるのだなと、自身の方向感が間違ってなさそうなことを確認することができました。

 

ちなみに筆者はマクロには消極的でしたが、これはおそらくエクセルシートの可読性を保つためで、モデル単体を俎上に議論する、さらに担当者が変更することを前提とするならば、先を見通した考えであろうかと感じました。

 

おわりに

ということで、財務経理畑の方にとくに訴求力のある本でした。

投資銀行業務のほか、いわゆる証券アナリストや関連業務の方、財務経理部門や経営企画部門で財務計画・業務計画を立てられる方が読めば参考になると思います。あと、FP業務で個人や家族のキャッシュフロー表などを作られるかたも読めば絶対参考になると思います。

 

評価     ☆☆☆☆

2023/04/28

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