そういえば、そろそろ今年も残すところ一カ月半。
毎年一年の計、というか、new year resolutionというのを作っています。「今年はこういうことしたい」という決意表明ですね。
そろそろ締めにかからなねば、ですね。
出来ていることもあり、出来ていないこともある。出来ている理由を振り返り、良いところを評価。出来ていない理由も振り返り、その優先順位で本当に良いのか再考。
至極単純なことを毎年繰り返しますが、3年5年と振り返ると、意外と出来ていることが積もり積もっているものです。
ひとこと
恩田氏独特のクロスオーバー的作品だった気がします。
殺人事件、地方史伝奇風味添え、そして最終的に死者のエンディングスピーチ。みたいな。
概要と構成
とある田舎の街。
そこで起こる奇怪な殺人事件。隠される土地の秘密と、忘れられる土地の記憶、そしてそれを見抜く男。
目まぐるしく視点が変わり、上巻まではスリラー的展開。そして下巻の最後の最後にそれとなくの種明かし。
最も印象深かったこと
でも最後は、人が死んでゆくとき、自分はどう見えるのか、みたいな描写で興味深かった。作中で中心的であった市川吾郎のことです。
死の直前、自己意識が薄れていき、自分が世界になる、あるいは世界の中に自分がいるという感覚が上手に描かれていたと思います。
予期していたことがそろそろ近づいてくる、そして、ああ、予想以上に早く来たんだー。諦観といくばくかの寂しさの入り混じった気分。そういう気持ちになるのかな、って思いました。
おわりに
ということで、かなり不思議な作品だったと思います。
恩田氏のファンはいいのですが、他はどうだろうなあ。ちょっと好き嫌い出そう。
新聞の連載ということでご苦労もあったかと思います。ご本人のコメントでもあればもう少し内情が分かり、受け入れられたかな、とか少し思いました。
評価 ☆☆☆
2023/11/14
貴重なお時間を頂きまして、有難うございました。