海外オヤジの読書ノート

中年おじさんによる半歩遅れた読書感想文です。今年はセカンドライフとキリスト教について考えたく!

戦前戦中の朝鮮半島での一日本人のオーラル・ヒストリー |『私が朝鮮半島でしたこと 1928年-1946年』松尾茂

皆さんこんにちは。

本作は以前からwish listに入っていたものです。

Amazonで中古のものを買ったら、カバー無しの本が送られてきました。

文句を言うのも面倒で、結局そのまま読みました。内容は良かったですけどね。

 

 

右翼的発言に辟易

巷やネットで嫌韓論とかアジア蔑視みたいな話・記事を目にするとため息が出ます。

同様に、中国や韓国の国粋主義的な若者の発言が切り取られてニュースになっているものも同様。

 

日本人という事だけで、全て否定されるのか?

 

アジアの女性と結婚して以来、こうした「国籍」ということを考えるようになりました。

 

子どもたちは日本の血が半分は言っているからといって、前の世代の責任を負うのか?あるいは血の交わり具合(50%)だけ責めを負うのか。

反対の立場であったら自分も同じように他国の人をその国の人間というだけで判断するのか?

 

やっぱり違う気がするねえ。

 

こういうことを考えていると国籍で判断する・されることが実にナンセンスに感じられるようになったわけです。良い国にも悪い奴もいるし、逆に治安の悪い国・評判の悪い国にも仁徳・人徳のある方はいらっしゃるだろう。

 

つまり数例をみて演繹的に物事を判断する(ネット・マスコミは得意)のは違うんじゃないか、と。人は個々人で・を判断した方が良いのではないかと。

 

結局、オリンピックすら素直に見れなくなりました。国別で応援するスポーツイベントは大抵の物事については興味が無くなりました。まあ外では振りはしますが。

 

歴史の価値、オーラルヒストリーの価値

右翼や国粋主義的な若者たちの排外主義的な考え方の根本は良く分かりませんが、やはり歴史認識が自分とは異なるのでしょう。

彼らの考えは分かりませんが、自分自身歴史を改めて学ぶ以外に自分の取り得る武器はないのではないかと思うようになりました(別に戦っているわけではないけど)。

 

教科書的な歴史は当然の事ながら、それだけが正であるとも言い難い。というか、人の見方や感じ方は一様ではないのに、教科書はそれを一行二行で表現してしまう。それは実は乱暴なことなのだと思います。

 

そのような時、本書のような個人的体験談、オーラルヒストリーの価値が輝きだすと思います。

 

やっとこさ著作の内容

著者は戦前戦中と土木工事に従事し、朝鮮半島で橋梁や土壌改良を行ってきたそうです。その過程では多くの韓国人と仕事をしたとのこと。

当然日本は韓国を併合した後のことで、日本人が韓国人を従事させるという上下関係があった模様です。ただし、内容を見るに、かなり公平に韓国人・朝鮮人と付き合っていたようだし、戦後に苦しめられたのは朝鮮人からというよりロシア人からのようでした。朝鮮人から逆襲されたことはなかったとのこと。まあ内容を信じるとしてね。

 

これを読んで、かつて戦前戦中に日本人が韓国で悪いことをしたわけではない、とは言えないものの、普通に生きていた・ともに生きていた人もいたという傍証になればよいなと思いました。戦後半世紀以上が経った段階で執筆された経緯も、そのような思惑が筆者にもあったのではないか、とふと思いました。

 

おわりに

ということで松尾氏による朝鮮半島での工事日誌的な個人史・オーラルヒストリーでした。

一事例として非常に興味深い著作でありました。

 

評価 ☆☆☆☆

2024/05/18

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