はじめに
KPIについての本は幾つか読んできました。
本作の作者のキャプラン氏、ノートン氏の著作も以前読んでみました。
結果としては本作の方が良いと思います。
会社の目標って?
私は部署の予算とかKPIとかを見るような仕事をしています。
自分の評価もそうですが、部署・拠点全体もそうした評価軸を本部から与えられたりします。KPI(Key performance Indicator)というやつです。
で、これがまたいつもOne-size-fits-all的な地域横断的な目標を課され、評価ゲームという観点はありがたく楽々ゲットみたいなところがある一方、「これうちはこんなの関係ないし、てかできないし」みたいな目標もありました。
そういう話を地域統括の方とたまに話をするのですが、「だったら自分で作ってみたら」みたいな雰囲気になってきます。それを受けて、上司と雑談していて、てかやっぱり自分で作らんとね、みたいな話を半ばやらないこと前提で上司と話したりもしてみました。
拠点の目標を自分で作ってみる
で、本作を読みながら、途中までですが会社のスコアカードを作ってみました。
【ミッション】当地の地域発展に資する、信頼され愛される金融機関となる
↓(そのためには)
【ビジョン】向こう5年でコーポレートファイナンスでトップの与信額、アセットサイズ(BS規模)がコーポレートファイナンス行でトップ
↓(そのためには)
【バランスト・スコアカード】
ここは色々作りました。省略
↓(そのためには)
【戦略マップ】
ここで詰まりました。
いや、結構面白かったです。
自分の青臭い思いを実現するために、バランストスコアカードに落とし込んでいくのですが、あれをして、これをしてってのがそこまで出てこず。こうした目標策定は、掌握分野の異なる数人で作るのがいいのだろうなと思った次第。
ちなみに戦略マップというのはバランススコアカードのPDCAサイクルみたいなものです。マネジメントの動きとか役割とかは余り分かっておらず、誰が何をする(承認する、助言する)みたいなサイクルを描けませんでした。
それから
一応作品にも触れておきます。
本作の白眉といえば、このバランストスコアカードを導入してみたけど、うまくいかないところ、或いは方向性が変わった、みたいな会社のことが収録されていたりするのが良いところです。つまり、金科玉条として守らねばならないものではない、と。ま、逆にこれを会社規模で作り直すとすると大企業の経営企画の方は大変だとは思います。
また、タイトルにもある通り、目標は作るので終わらず、当然それに向かって走り、またモニターする必要があります。そうしたモニターやインプリサポートの部署として戦略管理室という組織を作りリソースを割く提案がありました。
その他、会議の運営についても幾つか。
おわりに
という事で、バランスト・スコアカード、或いは会社の目標策定の本、でありました。
学術書に該当するからか訳がちょっとこなれてないような気もしましたが、関連業務に携わっている方には参考になると思います。
評価 ☆☆☆
2024/09/09