海外オヤジの読書ノート

中年おじさんによる半歩遅れた読書感想文です。今年はセカンドライフとキリスト教について考えたく!

ムダ毛の話じゃなかった泣 |『毛 生命と進化の立役者』稲葉一男

皆さん、こんにちは。

突然ですが、私、毛深いです。そしてこれは親譲り。簡単に紹介すると以下の通り。

(父親)無毛。パイ毛が一本(幼い時、あのパイ毛を抜きたくて仕方なかった)

(母親)毛深い。ストッキングからすね毛がはみ出る

(私)毛深い。特に足・股間、からのギャランドゥ

(妻)無毛。腋毛の処理は一生で二回とのこと

(息子)うすい。スネに程よい毛

(娘)毛深い。腕や背中にうぶ毛より濃い目のやつ

 

ということで、ムダ毛の無毛遺伝は、私の父、私の妻というチャンスがありながら、娘には行かず。私は母より毛深い遺伝子を引き継ぎ、そして娘へと渡してしまいました。

 

夏にもなるとムダ毛処理に余念のない娘ですが、「てか、ムダ毛の意味ってなんなの? あーむかつく」と、とある夕食時に問われました。いや、俺も知りたいよ。思春期は散々思い悩みましたもん。

「調べときます」、と返答し、アマゾンでサーチしたのが本書。

まあ読みましたが、大分違う趣旨の本でありました・・・。

 

はじめに

筑波大学教授の稲葉氏による著作。専門は細胞生物学、海洋生物学など。

本作は2021年に上梓したもの。

 

タイトルの誤読にご注意!

私は実はムダ毛についての本を探していました。

ムダ毛の意味、生物学的なファンクションとや何か、ということです。

 

で、本作に出会いました。しかし、しかし。

はっきり言うと、本作は全く別のものを主題としています。

それは生物の繊毛(せんもう)・鞭毛(べんもう)についての紹介、そしてその構造の不可思議さ、です。

 

いやあ、私はね、タイトルから見て、ムダ毛っていうのは実は進化に大いに関係しているんだよ、っていうものだと思ったんですが、とんだ思い違いでした。ってか釣りですよ、結構。

 

「おたまじゃくし」のしっぽ!?

で、内容はどんなだったかというと、繊毛や鞭毛の機能についてです。

といってもなんやそれ、って話です。

一番身近?かもしれないのは、精子の鞭毛ではなかろうかと思います。あの「おたまじゃくし」のしっぽの部分です。

 

あのしっぽの構造がどうなっているのかという事が、氏の関心ごとでありました。

だって、生殖の一丁目一番地です。とてもシンプルで機能的。でもその構造は一体どうなっているの?ということです。

 

私たちは動くとき筋肉を動かしますが、こうした精子の運動はもっと単純です。あのしっぽを波打たせるのですが、それにも生物的合理性が潜んでいる、という話です。

 

もし関心があるのであれば是非読んでください。

 

おわりに

ということで各種生物(主に海洋生物)の精子のしっぽの構造の話でした。

まったくムダ毛の話は出てきませんので、そうした書籍を探しておられる方はご注意を。

ただ、生物学や細胞の構造などに興味・関心がある方にはおすすめ出来る作品だと思います。

 

評価 ☆☆☆

2024/10/23

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