皆さん、こんにちは。
現在、引っ越しの荷造り真っ最中です。
大雑把な私は、細かい家内の手伝えることは余りなく、本棚の整理・梱包がメインの仕事でした。それにしてもたかだか本棚一つしか持ち合わせはないのですが、なかなかの本の量になります。200-300冊くらいになるのでしょうか?
子どもにシェアすべく取っておいた文芸書、また読み直そうと持っていた思想関連など、厳しく断捨離してゆく所存であります。
はじめに
インド出身で1998年にノーベル経済学賞(分配・厚生と貧困・飢餓の研究における貢献)を受賞したアマルティア・センの作品の翻訳。複数の論説を翻訳したものとなります。
なお翻訳は東大名誉教授の川本隆史先生と専修大学名誉教授の大庭健先生によるもの。これまた倫理学の大家の先生方であります。大庭さんは残念ながら2018年に逝去。
分からん…
本書、全くもって理解できませんでした。
読中、ただただ、良く分からないと思いつつ読み進めました。
そして最後の解説を読んでぼんやり輪郭が浮かんできたという感じ。でも結局何について書かれていたのかきちんと理解できませんでした。
ワードとして読み取れたのは、
功利主義、平等、アローの不可能性定理、パレート定理、といったところ。
極々粗く、そして誤解を恐れずに言えば、
最大多数の最大幸福を目指すところが所謂功利主義だと思います。ただ、最大多数というのは全員というわけではなく、そこから零れ落ちる人々がいると。そうした人たちを踏まえつつ、公正・公平を考えデザインしてゆく、これこそギャグじゃないけど厚生経済学、みたいな話のようです。
このあたりは経済学と倫理学の交差・学際的な分野となるのでしょうが、カント、アダム・スミス、J・S・ミル、ノージック、アロー、ロールズなどが分かっていないとちょっと理解が進まないかもしれません。
それこそ「巨人の肩に乗った」はいいが、そこからの風景はピカソの絵のような映り。実はこの巨人の肩は階段でしか登れないのに、特別にエレベーターに乗ったのがいけなかった、とでも言いましょうか…。
倫理学は勉強してみたかったのですが、今生は縁がなかったやもしれません笑
おわりに
ということで、セン先生の論説集でした。
タイトルがオキシモロンなところが気になって購入し、はや25年。積読するも全く進歩していない自己を見せつけられた悲しい読書体験でした。
本作、倫理学、正義論、厚生経済学などに興味がある方にはおすすめ出来ると思います。
評価 ☆☆☆
2024/12/01