海外オヤジの読書ノート

中年おじさんによる半歩遅れた読書感想文です。今年もセカンドライフ等について思索したく。

財界トップによる中国観と、日中関係への提言 |『習近平はいったい何をかんがえているのか』丹羽宇一郎

皆さん、こんにちは。

 

いやー、今日、久々に洋書をぽちってしまいました。

私が住むアジアの辺境では新古品の洋書店があり、一冊およそ500円程度で本が買えます。そちらのネットのサイトを2時間くらい眺めて、14冊も購入!締めて7000円!

いやー、こうやって読んでみたい本を探して、かごに入れて、内容をググってとかやっているのが楽しい!ブッカー賞ピュリッツァー賞を中心に過去の受賞作品とかshort-listed作品で在庫があるかを探しつつ物色しました。

ああ、読めるのか分からん・無駄になるかもという恐怖感と大好きな本を一挙にこんなに買っちゃうの!?という背徳感!

 

ちなみに私の居住国では確定申告は必須なのですが、こうした書籍購入費やインターネット回線契約などは「ライフスタイル控除」という名の下におよそ85000円程度まで課税所得から控除できることになっています。

ということで暦年課税につき駆け込みで購入したという側面もありました。

 

しかしこれ洋書の積読、どうするかなあ。。。

来年は全体の読書量をぐっと減らして洋書を月に2冊は読もうかなあと、ふと考えてしまいました。

年末も近いので来年の読書方針についても考えてゆきたいところです。

 

はじめに

伊藤忠会長、元中国大使の丹羽宇一郎氏による中国と日本の明日を考える著作(2016年初版)。

中国通による、日中関係の見方・読み方について解説するとともにその将来の関係性についてもアツく提言するもの。

 

現場第一主義の丹羽氏

新聞の社会欄に出る程度のことしか存じ上げませんでしたが、著者の丹羽さんはかなりの中国通のようです。そして、その現場志向の考えが本書を読んでいてよく理解できました。

 

そういう意味では、彼のやり方はおそらく仕事も政治も、現場第一主義。マスコミも信用しない。噂話や評判も片耳を貸す程度。自分の目で見て確かめる、確認する。

そうやって人脈を築き、肌感覚を養った方だから書ける中国論であると感じます。

 

日中関係は文脈や背景が大事

本書の内容の太宗は、タイトルにもありますが、中国(習近平)の考え方と方向性の理解、ということであると思います。

 

我々が報道で見かける中国というのは、反日だったり、強硬だったり、まあネガティブな印象が強いわけです。

首脳会談で中国側の代表が握手はしているもののニコリともしていない絵柄とかありますよね。

でも氏は、全て理由がある、というわけです。

 

ということで、日本人には不可解な中国のアクションについての理由付けをしていくというのが大雑把な内容であると感じました。

 

中国は実利優先というのはよくある話で、本作でも幾つか例示されておりました。しかし、実は米国も同様な部分があり、米中対立を印象付ける発言は「出来レース」(P.55)と喝破。

お互いに一定の線引きはできており、それ承知の上での「対立プレイ」をしていると言えましょう。

 

丹羽氏の謂うことが正しいとすると、そうした見えてない部分を考慮することなくストレートで反応する日本のマスコミはちょっとはずかしいですよね。

 

自国のコミュニティでは忖度大好きな日本人ですが、その感覚は国際政治を読み解くのに使えるのに、と考えた次第です。

 

中国の今後の変遷を大胆予想

あと本作、中国の独裁体制は崩れる!と帯にでかでかと書いています。

でもこれは決して嫌中というわけではなく、そうせざるを得ない・ならざるを得ないだろうというのが氏の冷静な読み、であります。

 

その要諦はひとことで言えば貧富の差。

共産主義という平等を形にした国ではあるべきでないこの格差。これを国民を納得させるためには一定の社会保障や分権、民主主義的な要素を徐々に吹き込んでいくしかないということのようです。

 

だからこその現在の独裁体制とトップダウンでの政治体制、ということです。民主制をすぐに今始めてしまうと、ウイグル内モンゴルだと次々に独立騒ぎになり収集がつかなくなると。

 

つまり、習近平は(民主的な)国へと中国を変えるために独裁体制を強化している、と誤解を恐れずに言えばこうなります。

 

おわりに

ということで丹羽氏の著作、初めて読みました。貰いものなのですが、非常に面白く読みました。

日本の将来を憂い、中国を仲間として見、自らの足で人脈と見識を稼ぐ人とお見受けしました。一緒に仕事ができたらきっと刺激的で苦しくも楽しい時間が過ごせるのではないか、と文章を読んでいて感じました。

 

世界経済の行く末に興味があるかた、投資をどっぷりしているかた、お仕事で中国と関係がある方は読んで参考になると思います。

少し古い本ですが、古びない政治経済の見識が語られていると感じました。

 

評価 ☆☆☆

2024/12/14

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