皆さん、こんにちは。
この前、居所の確定申告を済ませました。
私の居所、東南アジアの外れでは確定申告が必須。税金が天引きされているものの、申告すると大抵還付があります。今年はおおよそ4万円程。
ここ数年みていると、両親の医療費や介護費が控除の対象になっていたりして、結構文化を反映させるなあと感じます。というのも、当地では皆さん家族をとてもとても大切にするように感じるからです。もう正月とか連休になろうものなら、結構多くの同僚が実家に帰る。
日本では家族より仕事優先、学業優先ですよね。いやもちろんそれも大事なんだけど。
なんてことを海外での確定申告をしつつ感じました。
ということで本題に入ります。
はじめに
2005年に『カフーを待ちわびて』でデビューされた原田氏。その後ヒットを飛ばしまくっていますね。本作は彼女の2010年の作品で短篇集となります。
絵画系ではありませんよ
本作の第一印象は『あれ? これ、美術系でない!?』でした。
人気の作品には手を出さない(価格が高止まりして手を出せない)私でしたが、かつて図書館のリサイクル品として『ジヴェルニーの食卓』を手に入れて読みました。
その時の美術テイストの混ぜっぷりといったら、なんというかうっとり!でありました。絵画とか美術って、感じるだけではやはりちょっと足りなくて、絵画の意味や意図、その時の作者の状況とか置かれた国家の状況などを複眼的に説明してもらうと、なるほどってなります。
で、『ジヴェルニー~』はまさにそういう「ガイド」のような読み口でした。うんちくオジサンのバイブルにでもなりそうな本。
ところが本作はそうしたアートのアの字も出てこず、特に起伏が大きいわけでもない、静的なお話が多かったという印象です。
女性の物語
短編は「椿姫」、「夜明けまで」、「星がひとつほしいとの祈り」、「寄り道」、「斉唱」、「長良川」、「沈下橋」の七つ。
特徴としては、全て女性が主人公。
裏表紙には『20代から50代まで各世代の女性の希望と祈りを見つめ続けた物語の数々』とあります。
どれもやや困難やハードシップに見舞われる女性を優しく描く物語です。
ちなみに個人的には、旦那さんの死の直前に二人で旅行して、翌年同じ場所に娘夫婦と旅行に来て(同じ時期、同じ宿!)、死の直前の旦那さんとのやりとりを想起する「長良川」が一番ぐっときました。
自分が先に逝く側の時、何を言い残すかみたいなことを考えました。
おわりに
ということで原田氏の作品はこれで三作目でした。アート系でないものは初めてでした。
個人的にはアートというクセがないとどうにも印象が薄いかなと感じました。
他方、解説で書評家の藤田香織さんというかたが『興奮し、快哉を叫ぶこともない、派手さのない物語だ。けれど、そこがいい。』と書いておられました。
きっと、ファン的な目線だと、プライベートフォトとかギャップ萌え的な立ち位置の作品なのかもしれません。
でも読み口は良いので、久々に活字に触れたいという方には丁度よいかもしれません。
評価 ☆☆☆
2025/03/21

