はじめに
瀬尾さんは、うちの下の子が中学生の時、高校受験の問題か何かで知ることができた作家さんです。以降読み進めて分かりましたが、家族に焦点を当てる作品が多く、非常にハートフルな印象。
なお瀬尾さんは2002年に『卵の緒』(これおすすめ)でデビュー。『そして、バトンが渡された』は2021年に映画化(泣けます)。
本作は2012年に発表された作品。
あらすじ
田舎の中学生による、駅伝大会出場にまつわるお話。
しっかり者の桝井は、人数不足の陸上部で、何とか駅伝大会に出場するべくメンバー集めに奔走する。そのメンバー集めと県大会予選の終りまでを綴る作品。
最終的には、陸上部からは桝井、設楽、俊介、バスケ部からはジロー、吹奏楽から渡部、不良の太田。6人が6区を襷でつないで県大会出場を目指すことになるが…。
中学生の心のうちを描写
まあ一言でいうと、YA(ヤングアダルト)の作品かと思います。
中学生、思春期にありがちな言葉に発しないけれど考えること・思うことがある。そういう心の内が瑞々しく描かれているように思います。
とりわけ、乱暴者で恐れられている太田が走者として加わるなか、ツンツンしているのに・文句を言っているのに、最後は頑張っちゃうところが個人的には好きです。
他のメンバーも、おのおの抱えるものがあり、それが素直に出せなくてひねくれた感じになっているのは、中学生あるあるかな。
一つ思ったのは、美術の先生の上原が顧問になってしまい、結構バカにされつつ顧問をやっているのですが、彼女の視点で一章あったら面白かったかな、と思いました。
おわりに
ということで、瀬尾さんの作品、久しぶりに読みました。
個人的には他の瀬尾氏の作品の方が好みかな。
でも、小学生・中学生で読書が嫌い、あるいは帰国子女で日本語が得意でないという子にはこういう作品から始めると結構食いついてくれるのでは、と思いました。
友達・友情の暖かさが感じられる作品かと思います。
評価 ☆☆☆
2025/04/23

