海外オヤジの読書ノート

中年おじさんによる半歩遅れた読書感想文です。今年もセカンドライフ等について思索したく。

成功者に向けた人生ソフトランディング法 |『人生後半の戦略書』アーサー・C・ブルックス、訳:木村千里

皆さん、こんにちは。

しつこく申し上げますが、50歳にして、現在のキャリア含め、今後10-20年をどのようにデザインするかを考えています。

 

なお、私って、こんな感じの現状。

一見元気に見え、健康的な生活を送るも、これまでに大病が数回。

窓際だけど、自己顕示欲が消えず、本当はばりばり頑張りたい。

子どもたちの学費を何とか払いきり、老後資金も貯めたい。

他方、ここから死ぬ気で頑張るような気力は最近湧いてこない。

 

ここまで数冊読んだ、人生(老後)指南本では、小さい仕事に満足する、人に役立つ仕事をする、今ときめくことに時間もお金も使う、お金は意外とどうにかなる、みたいな話でした。

まあ分からないわけではないですが、キャッチャーミットにどストライクというわけでもなく。もう少し思索が必要だと感じているところです。

 

で、その折に手に取ったのが今回の作品です。

欲を捨てる?東洋哲学?

全般的には、本作は東洋哲学、なかでもヒンドゥーの教義に裏打ちされた思想をベースに書かれているようです。

章立てを見れば明らかですが、第四章「欲や執着を削る」、第五章「死の現実を見つめる」、第七章「林住期に入る」など。

 

まあ、人間だれしも生まれた途端死へまっしぐらですが、日本人は上記の章立ての話は、割と生活にあふれている考えである気がします。

晦日になれば除夜の鐘が108回鳴ることと、その回数が煩悩の数に等しいことを思い出させられ、少し足をのばせば、老人ホームやケアセンターなどに、死にゆく老人の姿を認めることができます。ちょっと入院しようものなら、その圧倒的な平均年齢の高さにも驚かされます。お盆になれば迎え火送り火を焚く家も、まだまだ多いのではないでしょうか。

 

そのような中にあっては、述べられていることはいちいちごもっともであるものの、わざわざ、米国在住の米国人に言われるほどでもないかなあ、とちょっと斜に構えてしまう所はありました。

 

キャリアの限界・能力の限界を悟る

他方、学びがあるとすれば、業務執行能力が年齢とともにピークアウトするという話でしょうか。

私自身は、周辺技術を追うこと、なるべく楽するために工夫するということは、まだまだやる気があり、周囲や他拠点の人と比べても、全然出来ている自負はあります。というか、同じ方向でガンガン頑張っている人は残念ながら見かけません。見ていないだけかもしれませんが。

 

とは言え、老化とともに能力が落ち、そこからも過去の成功体験にしがみつくのは得策ではない、むしろ役割の変化、キャリアの変化を模索するべき、と主張する点では、参考になりました。

 

私も、来るべき劣化に備えて、別軸の内的な喜びが得られるような小さい仕事を用意できたらいいなあと感じました。

 

これ、金銭的心配がない人たち向けの話?

で、もう一つ引っかかったのは、やはり筆者の立場でしょうか。

筆者は学歴コンプレックスがあったそうですが、それでもシンクタンクの会長を勤め、ハーバード大の教授を勤める現在ならば、キャリアのステップダウンでも、新たな挑戦でもできるっしょ、と僻みが出てきます。

 

こちとら学費の負担がきつくて、老後の蓄えも少なく、嫁には子どもが大学卒業するまではこのまま転職するなと厳命されとるんじゃ、と一人毒づきます。

 

その点では、本作は市井の人が競争から降りる展望を示唆するというより、一部の成功者に向けて「なあ、そろそろそのやり方だと燃え尽きるぜ。考え変えてゆっくりやろうや」とでもいう本なのかもしれません。

 

お金のケアについての話はありませんので、その点では本書は成功者、もう十分稼いだ人向きの本といっても過言ではないでしょう。

 

おわりに

ということで、ハーバードで教鞭をとる教授の自己啓発系書籍でした。

フルスロットルで長時間労働を行っている人が読むには良いかもしれません。

当方のようなヘラヘラ海外で中年になっちゃって、金銭的に今後厳しいかも、と思っている人には合わないかなあ、と思います。

 

評価 ☆☆

2025/05/01

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