皆さん、こんにちは。
私事ですが、パスポートを更新しました。
今ちょうど50歳ですから、今回の更新で60歳まで有効。あと一回程度程度更新したら70歳までは海外旅行に行くのかなあという感じ。次の60歳での更新が人生最後の更新でしょうか。
遠くない将来、日本に戻ることも考えています。が、いつどういう感じになるかは全く見込みが付きません。両親の体調が一番、自身の老後資金のたまり具合がもう一つの懸案。
こうしたことに、おぼろげながらでも筋道を立てるのも今年の目標のうちの一つであります。
そうしたことを考えつつ、本題に入りたいと思います。
概要
オリバー・バークマンの『限りある時間の使い方』は、人生が約4000週間しかないという事実を突きつけ、従来の生産性向上や時間管理術がいかに無意味であるかを説きます。私たちはすべてを完璧にこなそうとし、未来の「いつか」のために「今」を犠牲にしがちです。しかし、本当に大切なのは、有限な時間を最大限に活用し、目の前の「今」に集中し、何をしないかを意識的に選択すること。完璧を目指す幻想を捨て、自分の有限性を受け入れることで、より有意義な人生を築けることを示唆しています。
セカンドライフ探求と生産性向上がつながった!?
概要だとなかなか伝わりづらいのですが、個人的にはかなり良かった。
この「良かった」感を別の言葉で表現するなら、筆者の効率性・生産性への希求と、諦観・腹落ちへ至る道が極めて率直に語られているから、という事でしょうか。
何度かお話していますが、私の今後の将来設計(できれば仕事→趣味へのシフト)みたいな話と、生産性・効率性向上、というこの二つの懸案は、奇しくも同じ方向のベクトル上に答えがある、というのが感触です。
で、それは何だったかというと、やることを絞る・大事なものをやる、ということ。
ほんと、文才が無くて表現がしきれませんが、結論だけ書くとこうなります。だからこそ、文書を通じて皆様にもじっくり読んで欲しいところではあります。
哲学的思索から、有限性を受け止めること
本書の最大の特徴といえば、筆者のこと淡々とした諦観?悟りのような語り口ではないでしょうか。なにしろ、1ページ目のタイトルからして
「長い目で見れば、僕たちはみんな死んでいる」
ですから。
80歳まで生きれるとしておおよそ4000週間の時間があります。その限られた時間をどう使うか。ちなみに私だとあと1500週間。残り30%です。
私たちは、今後もまだ時間があるとか思っていないか、忙しさにひと段落ついたらやりたいことをやりたいと思っていないか、もっと生産性をあげたらやりたいことが出来るようになると思っていないか。
こういう事がひとつひとつ、じんわりと否定されてゆきます。
死はいつ訪れるか分からないし、生産性をあげればあげるほど、より仕事が集まってくるという逆説もある。もとより、時間はコントロールはできない。むしろ、我々は既に時間の中に投企されている。そのただ中にある時間をコントロールするなど、どうやってできるのであろうか。
こうして、ハイデガーやケインズなどの警句が引用されつつも、人間の有限性、だからこそ将来のために備えるのではなく(もちろんそれも大切なのだけれども)今を生きる・今を楽しむという、卑小な言い方をすればマインドフル思想の本分が語られています。
この前読んだ効率性の本(『効率を超える力』)は、デキる人たちのデキる要素を抽出し完全なデキる人をモデリングするみたいな話でしたので、個人的には「いちいちごもっとだけど、人となりとかその人なりの苦労が見えなくて共感しづらい」というのがありました。
しかし本作は、筆者の効率性への希求、それでも確保できないプライベート時間、そもそも時間をコントロールすることの可否など、より内面的な思索検討がされており、筆者の肩越しに彼の試行錯誤を見ているかのような、そうした臨場感・応じて納得感がありました。
おわりに
ということで、またもや、生産性・効率そして生き方に関する啓発本でした。
一つ言っておくと、本書は決して生産性向上とか、未来へ備えることを否定しているわけではありません。これらは大切なことです。ただ、今を見る、そして我々が有限であることに、改めて警鐘を鳴らすのです。
こういうのを読むと、娯楽として読んでいるエンタメ小説も、こんなの(ごめんなさい)読んでいてよいのか、と自問したくなりました。
私は古典が読みたい。歴史が知りたい。絵画や芸術、その意味合いと位置づけを理解したい、その連綿とした時間のつながりとしての今を理解したい、そう考えています。
明日(というか今日この瞬間)にでも途切れるかもしれない自分の人生。その有限性を確認したあと、自分は何をしたいのか。自ずと優先順位は変わってこようと思います。
人間は忘れやすい動物です。本作、一年に一回程度立ち返って再読したいと思います。
評価 ☆☆☆☆☆
2025/06/08

