- はじめに
- ヨエル書:イナゴの大群に荒廃されるユダヤ、のち復活
- アモス書:フツーなユダヤ堕落と厄災、のち復活の流れ
- オバデヤ書:おどろおどろしい滅亡+ユダヤ復活預言
- ヨナ書:魚に呑まれるヨナ、アッシリアの滅亡の預言
- ミカ書:歴史文学的な
- ナホム書:アッシリア滅亡の預言
- おわりに
はじめに
今回は6つの書(章)を取り上げます。ほぼ間違いなく、旧約聖書のなかでも超マイナーな部類に属すると思います。
多くは、これまで読んできたものと大きな代わり映えもなく、つまり、堕落したユダヤの悪習を嘆く神と、キレた神のユダヤへの鉄槌の予言、そして恢復させるという筋、あるいはその亜流が多いものです。
ヨエル書:イナゴの大群に荒廃されるユダヤ、のち復活
4節しかない、ごくごく短い書。また、ペトエルの子、ヨエルの臨んだ主の言葉、というくだりから始まりますが、時代も何も書いておらず、ペトエルって誰?という感じ。
内容は、これからイナゴの大群が押し寄せ、あらゆるものをかみ砕き荒廃させるという預言。この荒廃がおどろおどろしく描写されます。それに先んじ、神に立ち返り、断食を行い、御名をほめたたえよ、と呼びかけます。その後神は諸国民に審判をくだし、最後にはユダヤを回復させる、と予言して終わります。
アモス書:フツーなユダヤ堕落と厄災、のち復活の流れ
アモスは捕囚前の二国分裂時代の牧者。彼に神が臨んだとする書。
イスラエルの各地方の名をあげ、『〇〇の三つの罪、四つの罪ゆえに、わたしは決して許さない』とあり、その後具体的な悪習とそれに対する来るべき応報が示されます。
その後神を讃える節が続き、更に幻の厄災の描写と、「そんなことせんといてください!」という嘆願が4つ5つ繰り返されます。
最後はユダヤは回復するという、ハッピーエンド的な予言でおしまい。
オバデヤ書:おどろおどろしい滅亡+ユダヤ復活預言
「オバデヤの幻。」から始まる僅か2節の書。戦争、滅亡、神への回帰、ユダヤの復活という典型が詩のように語られる短い書。
ヨナ書:魚に呑まれるヨナ、アッシリアの滅亡の預言
本書はちょっと趣向が違います。また、どこかで聞き覚えがある人も多いのではないでしょうか。
神からニネべ(アッシリアの首都、現イラク)へ行き預言せよと言われたとあることから、二国分裂したユダヤのうち、北のイスラエルが占領された紀元前700年頃の話だと思われます。
神の降臨に恐怖し、ニネべに行かずタルシシュ(現トルコ)に逃げようと船に乗ると、海が大荒れに荒れて、船員全員が誰が原因かという話になる。
結果、神の意向の背いて逃げてきたヨナのせいだということで船からヨナは放り出される。すると海は穏やかになると。ヨナは他方大魚に飲み込まれ、そこで神に祈ることでようやく魚から吐き出され、陸に上がることができる。
結局ヨナは当初の命令通りにニネべに行って、ニネべの滅亡を民衆に伝える。
そこで神とヨナとの会話がちょっと面白い。ヨナはニネべの罪もない民衆が滅ぼされることに対して「神様、あたなはそれでも神様か、不感症じゃないのか?」と同情心たっぷりに抗議する。神も神で「無辜の民が滅びることに惜しまないことがあろうか?」と反語的な返し。これまでとはちょっと異なるリアクション。
でも底にあるのは、非ユダヤは殲滅、という事なのでは、と感じます。
ミカ書:歴史文学的な
時は二国分裂時代。未来のイスラエルの姿を預言したミカの言葉。筋はもうほぼ一緒。
しいて言えば、やや文学的か。詩以上に内容に肉付きがされており、歴史の著述、悪習の描写もより劇的に感じました。
ナホム書:アッシリア滅亡の預言
ニネべについての宣託。ナホムはエルコシュというニネべ近郊の土地の人。ということはヨナ書と同じ時代、アッシリアが二国分裂の一国を占領した紀元前700年程度の話と思われます。
要するにアッシリアが滅びるよという予言ですね。
おわりに
ということで、旧約聖書のマイナーな書、ヨエル書、アモス書、オバデヤ書、ヨナ書、ミカ書、ナホム書でした。もはやドラクエの呪文ですね。
きっと紀元前700年程度からバビロン捕囚の紀元前500年程度の間、聖職者と民衆と気持ちや生活スタイルに大きく乖離が出てきたのでしょうね。あるいは外的環境が大きく変化してきたのでしょうね。民は生きるために何でもするのでしょうが、聖職者にはそれが「堕落」と映ったのかもしれません。その生きる努力が「堕落」と見做され、以降の苦難の原因とされたような気がします。
真相は分かりませんが。
次はハバクク書、ゼファニヤ書、ハガイ書、ゼカリヤ書、マラキ書と続きます。なんと次回で旧約聖書が終わりです! めっちゃうれしい!
評価 ☆☆☆
2025/06/15


