海外オヤジの読書ノート

中年おじさんによる半歩遅れた読書感想文です。今年もセカンドライフ等について思索したく。

緩やかな諦観でもっとラクに生きる |『しないことリスト』pha

皆さん、こんにちは。

突然ですが、私、頑張ることが好きです。忙しいことも好きです。

ただ、頑張っていること・忙しいことに酔っている傾向もあり、また頑張ったり忙しくしたりしても評価されない(やり方が悪いのもあります)、家族も喜ばないこともあり、考え方を修正していく必要があると考えつつ40代を送りました。

いま50代でいつまでこの会社でお世話になるかは分からないものの、心の持ちよう、心の成熟度が自身の課題であることは深く深く認識しております。

 

そのなかで度々名前をお見掛けするこの筆者の作品をブックオフで見たため買ってみたという出会いであります。

 

ということで本題に参ります。

 

 

筆者について

phaさんは日本のブロガー・作家で、元「日本一有名なニート」として知られている方。京都大学を卒業後、会社員を経て「ニート」を自称し、シェアハウス「ギークハウスプロジェクト」を立ち上げました。頑張りすぎない生き方を提案する著作も多く、だらだらとした日常や読んだ本の感想などを綴った日記を公開している。

 

努力は報われない、自己責任も50%

いやあ、参考になりました。非常に考えさせられました。

こういってはアレですが、こういう人、あんまり好きではないのです。頑張らない人が基本好きではない。で、私も十分シニカルですが、頑張っているつもりです。でもこの人シニカルで飯食ってんじゃん、みたいな。結局がんばってないっていうウリで頑張ってやってんでしょ。

 

ただ本作読んでみると、私の食わず嫌いだった。

というか、この人の達観は聞く価値がある、読む価値がある、と感じた次第です。

 

とりわけ響いたのは第二章「努力しないリスト」のLIST-16 いやなことをしない。

まあこれは文字通りのことを言っていますが、pha氏は会社員への適性を自ら疑い、そうした生活を早々と放棄。より好きなこと・関心のあることを探った次第です。そこで語られる言葉が刺さった。

「こんなにがんばっているのだから報われなきゃおかしい」と思ってはいけない。がんばるかどうかと報われるかどうかは別問題だからだ。(P.98)

 

またこちらも響いた。第三章「自分のせいにしないリスト」の冒頭

「個人の努力ではどうしようもないことが人生には多い。突然予想外の事故や災害や病気などに襲われて、人生が辛いことになる可能性がある。(中略)だからすべて自分のせいでもないし、すべて社会のせいでもない。「自己責任は50%、自分ではどうしよもないことが50%」というくらいに考えておくのが、自分に甘すぎず厳しすぎず、ちょうどいいくらいのバランスなんじゃないだろうか。(P.111-112)」

 

繰り返しになりますが、私は頑張るのが好きで、そうやって道を開いてきたと少なからず自負がありました。で今の評価・地位と自分の頑張りとを比較すると「会社評価<自分の頑張り」、みたいな不等式を長年感じており、勝手に同僚に・会社に・社会にルサンチマンを抱いていたものです。

 

しかし、本作のような文章を読むと、(自分の努力の注入方法も検討・検証の必要はありますが)不可抗力は人生で意外に多い、むしろ自分の努力で状況が変わるとすれば、ある意味ラッキーなくらいかもしれない、と思えるようになりました。

 

だからこその好きなことや関心のあることへのシフトを説かれるのであり、自己内発的な喜びを見出しつつ生きることの大事さを説かれるのだと感じました。

 

同時に、ゆるやかな諦観、ダメな自己・至らない自己の受容も大切であると感じました。

 

企業の社員マネジメントの将来

加えて。これからの企業トップや人事は大変だなあと。

 

だって、私のような晩年平社員はまあいいですよ。まあゆるーくやっても影響は少ない。

だけど、これから会社・社会を背負って立つ人たちをどうやって鼓舞するのだろう。企業による人事マネジメントは非常に難しいのでは、と思ってしまいます。

 

将来有望な若者が「やっぱほどほどでいいわー」とか言ってゆるーくなる。「僕は頑張ったけど失敗の50%程度はもうどうしようもないっすよ」とか言い始める子が出てきたりして。

 

適性を自ら考えて動く子は多分いいでしょう。会社が応じて機会を提供する間に本人は考えてくれるでしょう。でもぼんやりした社員を人手不足のなかでどうやってマネージするか。以前読んだ『PRINCIPLE』という本では著者は配置換え・馘を断行するって言っていましたが…。まあ米国だと出来そうですが日本では厳しいですね。

 

おわりに

ということでpha氏の著作を読みました。

ブラッシュアップしているつもりで、結局昭和の価値観で生きている私でしたが、こうやってほぼ同世代の方の作品を読んで、ようやくこの努力至上主義を肩から降ろせた気がします。

 

それでも成長はしてゆきたいので、ゆるやかな頑張りの塩梅を模索します。まあ、見返りを求めずに努力を楽しめればよいのかなとも思いますが。

 

評価 ☆☆☆☆

2025/06/27

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