選書の理由
開高氏といえばサントリー所属のコピーライターで、後に独立し文筆業へと転身、1958年に「裸の王様」で芥川賞を取りましたが、それ以外にもノンフィクションやエッセイなどで有名ですね。
今回は実家の本棚に残って書籍を処分する予定で再読したものです。
高度経済成長期のショーワのテイスト
本件ですが、中心は、開高氏による旅と酒にまつわるエッセイ。
その表現は的確で、どこかユーモアのあふれる書きぶり。氏の小説も以前読みましたが、大分雰囲気が違うと感じました。
内容ですが、アルコール、その出自の文化的背景、歴史的事情がさりげなく語られており、なかなかためになります。また途中から釣りエッセイへと変貌笑
全体的にも、50年程前に書かれた作品でありますが、不思議と古びれてない印象です。ベルギーでショコラティエの出すチョコレートに感動し、チョコレートは大人の食べ物だ、と断ずる部分とかは特にそういう感じ。
そんなんですので、テイストとしては辺見庸『もの食う人びと』をもう少し柔らかくしたような感じです。ま、本作の方がかなり古いんですけど。
そして、一番印象にあるのは、ためらいもない下ネタ。
これは時代なのかなあ。あるいは編集者の意図なのでしょうか。女性だと気分を悪くされるかたもいらっしゃるかもしれないほどストレートでした。
おわりに
ということで開高氏のエッセイの再読でした。
およそ50年前に書かれたにも関わらず、氏が外国経験が豊富過ぎて驚きます。
そして後悔交じりに何度かつぶやく『もっと若い時、20代に外国に来たかった』とのくだり。日本に生きる作家ではない、もう一つの自分を外国で夢想していたのかもしれませんね。
今は海外に、旅行だって移動だってもっと安価に自由に行けますよね。そうした世情に感謝の念が湧いた次第です。
評価 ☆☆☆
2025/07/24

