海外オヤジの読書ノート

中年おじさんによる半歩遅れた読書感想文です。今年もセカンドライフ等について思索したく。

ブッカー賞受賞のアルバニア人作品。中世の因習と謎解き。ポイントは不明でした泣 |『THE GHOST RIDER』ISMAIL KADARE

皆さん、こんにちは。

 

最近私の勤める会社で、駐在の出入りがちょっとありました。

つとに感じるのは、総合職の転勤という「オプション売り」の価値について。会社の命令でここへ行け・あそこへ行け、と辞令がでて、ものの数週間で任地へ赴かざるを得ない。家庭を持つとなると家族も同様にこれに巻き込まれる。引っ越しや、転校など、家族総出で巻き込まれる。この残酷さについて、何とも気の毒に感じます。更に二三年でまた別の転地へと赴く(可能性)。

もちろん、この逆らえない「オプション売り」の対価として、家付き・車付き・学費付き(そのほか、危険地手当て、家族手当、諸々)という待遇なのでありますが。

 

ただ、生産性・コミットメント、ともに低くなりがちだと思います。だって最短二年ですから。いつ返されるかは本人も分からないし。

私は常々、5年程度とか期間を提示したうえで呑める人を派遣して欲しいとは思うのですが、そうはなりませんねえ。

 

今回異動があった数件は、どれも本人の希望という稀有な事例でしたが、次に来られる方はより長く、腰を据えて業務をされることを祈念するものであります。

 

それでは本題に参ります。

 

作家紹介

アルバニア出身の小説家。共産主義体制下の全体主義や権力の闇を、比喩や寓意を駆使して描き出す。代表作は、アルバニアの因習に切り込んだ” The General of the Dead Army”や、政治警察による監視を題材にした” The Palace of Dreams”など。

2005年に始まったMan booker賞の国際部門を受賞。なおこのときは作品ではなく人物に賞が贈られるスタイルであった。

 

概要

本作、The Ghost Riderは、アルバニアの古い伝説「コンスタンディンのベサ(忠誠の誓い)」を題材にとったもの。中世のとある時期、アルバニアの片田舎でのこと。亡くなったはずの兄コンスタンディンが、遠方に嫁いだ妹ドルンティーナを約束通りに家まで送り届けるという物語。この出来事をきっかけに、村全体が迷信と不安に陥っていく様を描いた、ややミステリー色のある作品。

 

いつもの通り

いつものごとく、近所にある新古品の本屋で500円程度で購入。相変わらず、ブッカー賞などの受賞関連作品に目をつけての購入となります。

しっかし、アルバニア人の作家というのは初ですよ。

 

そもそもアルバニアがどこにあるのかも定かではありませんでした。で、google mapで調べてみたら、クロアチアギリシアに挟まれており、ボスニア・ヘルツェゴヴィナと隣接した国でした。アドリア海を挟んでイタリアの東方にあります。

 

中世のかほりかぐわしく

実際読んだら、結構味がありましたねー。

私は昔話とか民話とか結構好きでしたが、中世ヨーロッパの昔話的な雰囲気が横溢する作品であったと思います。

移動は馬だし、連絡は手紙です。そういう牧歌的な雰囲気に、過去から語り継がれる因習が村に影を落とします。

 

アルバニア人アイデンティティ

でですね、残念ながら結論がイマイチ分からなかった。

 

本作の主人公は言わばアルバニアの地方長官?みたいな地位にあるStresという男。彼の視点で、村に起こったミステリーの解決に挑む、とでもいった筋です。

彼は村の伝説を半ば信じる一方、宗教のお偉方からは「死人が復活するとかマジであり得ないから。てかね、そういうの異端っていうの。復活はキリストだけしかしないのよ。「真犯人」を早く探しなさい」と、無理ゲーばりにプレッシャーをかけられます。

ちなみに現今の王様は正教側に肩入れしているそう。当時、ローマカトリックと正教は小国アルバニアで覇権争いをしており、そうした政治派閥に翻弄される悲哀もじんわりと描かれます。

 

その中にあり、最終的にStresは「真犯人」は捕まえます。政治・宗教両者のお偉方が集まり弁明会(説明会)が開かれ、Stresは会堂にて事情を声をからして民衆らに説明する(マイクないしね)。

結局犯人は兄のKonstandinであって、Konstandinでない(なにそれ!)。このあたりは錯綜します。当方、理解不十分でありました。

さらにいつの間にかアルバニア人アルバニア性が今後問われる云々言って、お話は終わってしまいます。

おいおい。

 

お友達の仕業?

一応、この演説の前節で、StresがKonstandinの旧友らと日がな語り合い、彼らの考えていたことをよくよく理解する章がありました。

昔から伝わる約束besaの重要性とか、地縁・繋がりとか、そういうことをKonstandinは大事にしたいと友人たちと徒党を組んでいた模様。

このあたりの記述から、兄Konstandin亡き後、妹Doruntineを実家まで連れ帰ったのはこの友人グループであると推測できます。

 

故に、結章でStresは、Doruntinを連れてきたのはKonstandin(の築いた地縁・約束)だ、とぶち上げたのではと思います。

 

おわりに

ということで、初のアルバニア人の作品でした。

当初はフランス語に訳され、そっから英語に翻訳?されたっぽいです(うーむ、私きちんと読めているかなあ)。

いずれにしても、個人的には中世の牧歌的雰囲気は好きで、こういう作品はまた読みたいなあと思いました。安く買えたらこの人の作品、また読みたいと思います。

 

評価 ☆☆☆

2025/08/05

 

中世の物語といえば、アーサー王のお話を思い出します。あの世界観が好きな方は今回のものも楽しめるかも。

lifewithbooks.hateblo.jp

 

 

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