皆さん、こんにちは。
子どもたちと旅行に行ってきました。その後彼らが日本に帰るまで当地で1.5日の滞在。で、その間やったのが親戚周り。まあ一応国際結婚ということで笑 家内が6人きょうだい、義母に至っては10人くらい。故に親戚というとすごい数になります(旧正月の集まりは壮観)。
今回は家内のきょうだいやその子ども(子どもたちにとっての「いとこ」)たちに会って、近況を報告してきました。
ということで本題に参ります。
不思議、超自然、はたまた偶然 +女性
村上氏の短篇は幾つか読みました。私の感覚では、彼の短篇というのは、偶然知り合った人から聞いた世にも稀なるお話、ややシュールな感じのお話が多いという印象があります。
具体的な近似を述べれば、『ナショナル・ストーリー・プロジェクト』みたいな作風でしょうか。不思議、超自然、はたまた偶然。それを淡々と、微熱感のある興奮とともに綴る。
で、本作『女のいない男たち』は、よりテーマ性のある短篇に感じました。
タイトル通り、女性に去られた男性が過去を回顧するようなお話です。そしてそこに不思議、超自然、はたまた偶然、という村上節は従前同様にブレンドされています。
短篇六つ、それぞれに味がある
全部で六つの短篇で構成されています。どれもなかなか良かったかなと思います。
「ドライブ・マイ・カー」
妻と死別した舞台役者による、臨時運転手への独白。妻(女優)が浮気していたどうでもない男たち(同業者)の一人と友人になってしまったという話。妻の浮気心への謎を考える役者の未解消な心を描く。
「イエスタディ」
「僕」の学生時代のバイト先の友人、木樽の回顧。田園調布住まいの早稲田志望の二浪の木樽はバイト先でネイティブ並み関西弁(なにしろ天王寺にホームステイまでした)で、神戸出身で標準語の「僕」と会話する。木樽の幼馴染で恋人だった栗谷と20年後に偶然出会った「僕」は木樽の現在と栗谷のピュアな心に感傷・安心を覚える。
「独立器官」
独身主義の美容整形外科医院を営む渡会の話。ほどほどに女性と遊ぶことを旨としていた渡会が40を過ぎてから本気になってしまった女性。渡会は恋煩いといってもよい拒食症による心不全で死亡。その後の顛末を「僕」は秘書でゲイの後藤から聞く。そしてその女性と家族の顛末も驚くようなもので…。
「シェエラザード」
本作の中で最もSF色が強い作品。「ハウス」に隔離され匿われた羽原。定期的に彼の元を訪ねてくる家政婦(兼性欲処理?)の通称「シェエラザード」。ベッドの後で、彼女はいつも不可思議な話を語り、そして4時になると夕食の支度があるといそいそと「ハウス」を後にする。
「木野」
バーの店長、木野の話。彼はもともと陸上選手で、けがで夢破れ、スポーツメーカーに就職。後に結婚し、地味ながら充実した日々を送っていた。ところがとある日、出張から早く帰ってくると、そこには不貞を働く妻の姿が。しかも不貞の相手は彼の同僚であった。そんな木野が退職をし、バーを持ってから来るようになった不思議な常連「カミタ」とその後に起きた不可思議な出来事について。
「女のいない男たち」
これは正直良く分かりませんでした。物語というより独白だけの短い文章でした。
ひとこと
ということで久方ぶりの村上氏の短篇集でした。
だからどうなの、意味は?とかいう読み方ではなく、不思議な出来事が世の中にはあるねえ、という鷹揚な構えのもと楽しむような作品ではないかと思います。
私はなかなか好きです。
評価 ☆☆☆☆
2025/09/01

