皆さん、こんにちは。
子育てがひと段落つきそうと思うと、次に来るのは自分の健康不安や親の介護。中年というのはそういう世代でありましょう。
私、昨年は脳の手術をしましたが、それも相まって死を改めて意識し始めました。
父親は痴呆を示し、母親の腰も丸くなりつつあります。まあどちらも80代ですから致し方ありません。
片方に何かあったらどうするか。
家内とも話していますが、夫婦とも海外に居るところ、家内だけ日本に戻る(つまり私だけ単身赴任の形)、あるいは我々揃って日本に戻るか。でも50過ぎての転職は条件がよろしくなかろうから、身の振り方にも迷う今日この頃です。
そんな折に他のブログで取り上げられた本が本日の本。
珍しく新品で買いました笑
それでは本題に参ります。
概要
ジェーン・スーさんというとエッセイストの印象です。ただ、本作のタイトルだけを見るとルポ・ドキュメンタリな雰囲気。
やや癖のある父上の弱りつつある現状とその対処への奮闘を綴ったのが本書であります。介護認定を受けるには元気、でもいつ倒れても・弱ってもおかしくない。そんな親を支える一人娘。父親の資力も多くはなく、娘も自営の一人暮らし。片方が倒れると共倒れとなりかねないなか、筆者は父親の健康な独り暮らしを引き延ばすべく奮闘する。
ユーモアを挟み、感情論を処理
これまで介護に関する類書を少しは読みましたが、この本はもうユーモアあふれるエッセイ、という感じで暗さが余り見受けられません。
むしろ光るワードチョイスで、父親への怒りが笑いへと昇華されます。
親の面倒(汚部屋の片づけ)を「フジロック」になぞらえ、父親は外タレ(ミック・ジャガー)、娘(筆者)はプロモーター。イベントを成功裏に収めるため、我儘なタレントにへいこらしつつ、イベントを終わらせるように奮闘する娘。
また、父の体重が減らぬよう、現状維持を目指すさまを「カーレース」に例えるのも良かった。父親はドライバー、娘(筆者)はメカニック。パフォーマンスは体重の上下、といったところ。パフォーマンスが悪い(体重がへる)時、それはドライバーの責任か、メカニックが悪いのか。もちろん時々で原因は異なりますが、目的はパフォーマンスの向上(この場合は体重維持)。
たとえ話をすることで、感情論に走りがちな親子関係を冷静な目で捉えなおすことができるのでしょう。
親の面倒にテクノロジーを導入
その他、LINEでの食事状況の確認や、お取り寄せ系の食品で父親の食欲を「釣る」など、フィットするしないは各家庭であろうかとは思いますが、食事のとらせ方としては参考にはなりました。
また、父親の病院のスケジュールを娘のグーグルカレンダーかなんかに入れ、父の家にアレクサみたいなのを導入し、父親のスケジュールを朝に読み上げさせるとか。
持てるテクノロジーを可能な限り使い、一人っ子と一人親の遠隔介護を行ううえでのひとつの解となりうる話かと思います。
おわりに
ということでジェーン・スー氏の介護系エッセイでした。
重たくなく、というかむしろ笑いつつ読める良書でした。親と離れて暮らす方、親御さんが70代・80代以降の方にはおすすめ出来る作品かと思います。
評価 ☆☆☆
2025/10/22

