海外オヤジの読書ノート

中年おじさんによる半歩遅れた読書感想文です。今年もセカンドライフ等について思索したく。

オマージュ・ミステリ?劇中劇? 本屋大賞一位は伊達じゃなかった |『カササギ殺人事件』アンソニー・ホロヴィッツ、訳:山田蘭

皆さん、こんにちは。

 

一泊二日でケ〇の穴付近のしこりを切除してきました。

一年ぶり五度目(大相撲ばりの頻度…)の入院となりましたが、なんだかんだ入院経験を積んでしまい、病院の良しあしみたいなものが薄々分かってきました。

それでいうと、今回の病院はやや外れ。

日勤と夜勤、看護師と医師との間の伝達・連携が今一つで、何かを聞いても知らなかった・確認してきます、の顔。また看護師サイドが受け身に回る場面が往々にして見られました。

 

他方、昨年入院したところは、申し送りが密、というか、引継ぎ後の巡回でこれですよね?あれですよね?食事は今日からでしたよね?先生の回診、今日ありますよ、あれが終わったら言ってください、これがしたいときは一言かけてください、などとプロアクティブ

また、先輩看護師の後輩への指導が実に的確で、愛のあふれる厳しさ!

 

もちろんどの方も懸命にお仕事されており、その個々人の方に優劣をつけるつもりは毛頭ありません。ただ、印象やパフォーマンスは組織のリーダーによって変わる、個々人の頑張りはマネジメントの匙加減・塩加減で大幅に変わるのだろうなあ、と感じた次第です。

 

それでは本題に参ります。

 

憧れの『カササギ殺人事件』

2019年の本屋大賞翻訳小説部門で堂々の一位を獲得した本作。

多くの方がブログにレビューを掲載し、いいなあー、読みたいなあー、と思っていました。翻訳版は高くて買えなかったのですが、近所の新古品の本屋さん(洋書)でもなかなか入荷がなく、地団駄を踏みつつ同じ作家さんの本でも何か読めないかと新古品の本屋さんのリストを見てみると、殆どYAっぽいものばかりで、食指が動かず。

 

そして今般、ようやく「♪本を売るなら~」でおなじみの中古量販店で値ごろ感が出てきまして、私の手の届くお値段で購入できたという次第です。

 

驚き、というか、すごいなあ、というか、これは驚嘆という単語がお似合いな作品であったと思います。

 

アティカス・ピュントの話が素で面白い

何がすごいかって、やはりこの入れ子構造・劇中劇・推理劇マトリョーシカとでも言った構造でしょう。

 

上巻はアティカス・ピュントシリーズの最新刊の内容が綴られます。冒頭にこれを読む女性編集者の気だるそうな様子が1、2ページほど出てきます。でも殆どは名探偵アティカス・ピュントの推理劇を編集者と同じ目線で読むというもの。

これ単体で劇中劇を読んでいることを忘れる程十分面白い。アガサ・クリティへのオマージュという話もありますが、名探偵と助手、閉じられたコミュニティでの殺人、全員容疑者等々(他にもたくさんの要素!)、いかにもな推理小説の仕上がりであります。

 

裏表紙にオマージュ・ミステリである旨がありますが、これを読まなかったら「二番煎じだな」とひとり断定するところでした。

 

なお上巻は、いよいよ真犯人が分かる、という段で終了。くぅー、はやく下巻が読みたい、となります。

 

わたし的には衝撃の下巻!え?そうなるの!?

さて、下巻を読む段で私は一旦スローダウンしました。

劇中劇の外枠、アティカス・ピュントの最新作を扱う編集者の世界に戻って来ています。

早くアティカス・ピュントの事件の結末が知りたいのにとウズウズしていると、物語の展開は私の思いもよらない方向に展開していきます。

 

個人的には、結論はややしりすぼみ的に感じましたが、下巻の展開にはゾクゾクきました。この下巻の展開、まさか上巻と…というここですよ!!! これは面白い。

 

おわりに

ということで、2019年本屋大賞翻訳小説部門の第一位作品を堪能させて頂きました。

ちなみに、英語のオリジナルですが、分冊されておらず一冊です。翻訳に際して分冊したようですが、非常に良いアイディアであったと思います。分量だけに限らず、入れ子構造が明示的になりますし、翻訳サイドの工夫を感じます。

 

推理小説好きは読むべき本ですね。分量的に数日、ひょっとすると一週間弱くらいかかるかもしれませんが、下巻の驚きを是非味わって欲しいなあと。

 

既読の方、下巻で驚きましたよね? ほかの方の意見も聞いてみたくなります。

 

評価 ☆☆☆☆

2025/11/04


Anthony Horowitzの作品は以下は読みました。彼はStorytellingが本当に上手。

lifewithbooks.hateblo.jp

 

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