皆さん、こんにちは。
あっという間に、ことしも師走と相成りました。
思えば今年の初め、『今年の計画は自分中期経営計画を立てるぞ』と妙な怪気炎だけを上げておりました。が案の定、細かいWBSも作らなかったこともあり、成果物も進捗もない単なる読書オジサンが出来上がっただけになりました泣
近年自分の大病、親の認知症などがあり、自分の将来を積極的に思い描くよりも、目の前に迫りくるかもしれない優先事項に当たっておかねばならないかも、と介護・死などの本を立て続けに読んでいた次第です。
で、今回の本。
介護の本ですが、かなり刺さりました…。これは40代以上で親御さんがご存命でしたら是非一度手に取ってほしい内容でした。
家内にも読んでもらうべく勧めてみましたが、『今は忙しいから二年後くらいになるよ?』だそうです。2年後でいいから読んで欲しいところです。親の介護のみならず連れ合いの介護に置き換えたとしても有用な体験談だったと思います。
ということで本題に参ります。
あらすじ(裏表紙より)
突然、母が認知症に。同居する独身息子の生活は一変。「私は認知症じゃない!」と認めない一方で、大量に届く謎の通販、異常な食欲、そして失禁──そんな母に振り回され、ついには手をあげてしまう。行政や弟妹の支援を受け、なんとか介護を続けるが……。介護する人/される人にとって、本当に必要なものは何なのか? 独身者による介護の実態を赤裸々かつロジカルに綴った傑作ノンフィクション。
読書のきっかけ
私も父親が認知症になりました。そしてその面倒を見る母は82歳。幸い母は元気ではありますが、腰も曲がってきており、諸々限界に近付いている気もします。
今度どちらかに何かあったらどうするか。姉は実家から遠く離れて嫁ぎ、私ときたら外国にいる。もし両親のどちらかに何かがあったら私が実家に戻るか!?
そんな逡巡をするなかで手に取ったのが本作であります。
リアルな介護体験談
平たい話、介護体験談です。
とは言え、もともとノンフィクション作家さんでいらっしゃるようで、読み口はすごく良い。何でしょうか、読んでいて気持ちよい、程よい教養の混ざり具合というか。読んでいて表現で引っかかるとかは全くなく、そこは先ず特筆したいと思います。
でも、もちろんそれが大事な話ではありません。
やはり介護で苦労され、追い詰まる様子、これが実に刺さります。とにかくリアル。
幾つかピックアップすると以下のような話。
自営につき、介護はできるものの仕事にならず貯金残高が目減りしていく恐怖。周囲の助けを得られるのならば、変な健康食品より、金が欲しい。異性の親(今回のケースは母)をショートステイに送り出すとき、親の下着のサイズ等を予め関知し用意できるか。認知症の親を前に電化製品(洗濯機とか)を買い替えると、親が使いこなせず、その家事は自分が負担することになり得る。認知症が進むと、自身が怪我をしてもどうして怪我したのかをそもそも覚えていられない。老化(死)は不可逆的であり、得意料理・得意作業なども進行と共にできなくなってしまう。家族だけで介護をしていると、ストレス・憎しみがたまり、時に手を挙げてしまう事態にも。家族だけだと、身内がどんなに頑張っても、優しくできなくなる。など。
こうして切り貼りしているだけだと、なかなか伝わらないかもしれませんが、わたくし的にはこれまで読んだ類書の中では一番響いた作品でした。
おわりに
ということで介護体験談の本でした。
巻末にジェーン・スーさんとの対談も載っていましたが、それもまた良かったです。今後の日本への提言なども読みごたえがあるものでした。
親の介護もそうですが連れ合いの介護を覚悟する上でも読んでみるべき本だと思いました。
評価 ☆☆☆☆☆
2025/11/30

