概要(裏表紙から)
コロナ禍で早期退職の募集が急増している。対象は3年連続で1万人を超え、リーマンショック後に次ぐ高水準だ。業績良好な企業の「黒字リストラ」も少なくない。長年尽くした会社から突然、戦力外通告を突きつけられ、会社に残れば「働かないおじさん」と後ろ指を指される。なぜキャリアを積んだ中高年がこんなに邪魔者扱いされるのか。転職すべきか、留まるべきか、どう変わればいいのか。制度疲労を起こしている「日本型雇用」の問題を浮き彫りにしながら、大リストラ時代を生き残る術を示す。
「勝ち組」には関係ない本
申し訳ないのですが期待外れであったと思います。
本書の方向性としては、壮年でこれから「お荷物」になる労働者と、それを抱える会社と、二者へのメッセージであると思います。
ただ、前者の労働者に対する見方が、どうにもステレオタイプで、どのようにデータを集めたのか疑問に感じ、一回疑問に思うと何だか胡散臭く感じられてしまい、ずーっとモヤモヤしたまま読了してしまいました。
「妖精さん」「Windows2000」(窓際で仕事をしないのに年収2000万)などから始まり、会社にしか居場所が無くて家に帰らないおじさん。家に帰らない人は想像できますが、あからさまに仕事をサボり外出したり、2000万も貰い窓際ってのは本当に居るのか、と疑問に思ってしまいました。
もちろんこれは私が海外にいることも起因しているのだとは思います。
で、一度冷静になり考え直しました。
所謂「勝ち組」みたいな人(「上がり」の人も)はこういう本は読まないでしょう。むしろ、壮年というだけで一括りにされてしまう、けっして「勝ち組」とも言えない真面目なおじさん・おばさんがサバイバルするには、ということで本書が書かれていることと推察しました。
中年の転職のポイント
で、その割に(といってはなんですが)、裏表紙にもある後悔しない転職10のポイント、これは結構当たり前かな、と。
曰く、
・転職活動は「うまくいかなくて当たり前」の心構えで
・「孤独」に転職しないこと
・マネープランは「ライフプラン」と合わせて考える
・「肩書」「名刺」を求め過ぎない
・転職先の情報収集は多角的に
・「即戦力」を目指さない
・転職先では、経験や知識のアップデートを
・「出羽守」にならない
・「前の会社」とつながり続ける
即戦力を目指さない、という項目はちょっと異質で、むしろ過去の成功を捨てて一から価値観をその会社に合わせられるか、ということで上記の表記になった模様。これを一言英語でunlearn(学習棄却という訳をあてていました)と表現していました。
ありていに言えば、素直で柔軟な人はうまく転職できる、ということなのでしょうね。
日本の人事制度に詳しい
他方で、日本の人事制度についてはかなり詳しく書いてあり参考になりました。
同一組織内での競争を「校内マラソン」と称し、その中だけでニンジンをぶら下げて競争をさせた結果、出世が望めなくなり役職定年等になったあと、モチベ減退をおこしてすっかり働かなくなるという仕組みだそうです。
また、JV(Job Description)で縛るのではなく、良く分からない職能というものでランク付けするなどは特徴的だと思います。この職能は、年功を一部正当化するための制度であると解しましたが、要するにどうとでも判断できるようになっている、曖昧な部分・余白の多い制度なのだと思います。
おそらく現在の人事制度は緩やかに、人口のボリュームゾーンの現象とともに変化してゆくのでしょうね。
おわりに
ということでおじさんと日本の人事制度の本でした。
50代のおっさんとして応援して欲しいとの思いで読みましたが、わたくし的にはイマイチピンときませんでした。
評価 ☆☆☆
2026/01/05

